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北朝鮮の社会安全省(警察省)は今年8月末、国境沿いの道路や鉄道に夜間通行禁止令を出し、違反者に対しては無条件で銃撃するとの方針を示した。

中国政府は、国境付近に住む自国民が危険にさらされかねない状態に懸念を示し、無条件の銃撃は行わないことで合意した。しかし、北朝鮮国民に対してこの命令は撤回されていない。

(参考記事:北朝鮮「国境接近者は無条件で射殺」方針を撤回、中国との合意

銃撃はされなくとも、午後6時から翌日の午前7時までの13時間(冬季の場合)という長時間の通行禁止令に、地域住民は頭を悩ませている。

現地のデイリーNK内部情報筋によると、咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)に住むある住民は、国境沿いの道を歩いていたとの理由で摘発された。制限時間をたった5分オーバーしただけだった。大目に見てほしいと頼み込んだが聞き入れられず、結局は労働鍛錬隊(軽犯罪者を収容する刑務所)送りにされてしまった。

(参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

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夜間通行禁止令に違反し、労働鍛錬隊送りになった人は先月初めから26日までの時点で22人に達している。国境近くに住む人々は、市場での商売を早々に切り上げて帰宅せざるを得ないだろう。

警備を担当しているのは、国境警備隊ではなく、国から送り込まれた特殊部隊・朝鮮人民軍(北朝鮮軍)第11軍団――通称「暴風軍団」の兵士だ。当初は3000人規模だったが、今月に入ってさらに100人が追加で派遣された。

彼らは、国境を流れる川に接近した野生動物を次々に撃ち殺し、夜間通行禁止に違反した人を有無を言わさず労働鍛錬隊送りにしており、市民の間では、保衛員(秘密警察)や安全員(警察官)より恐れられる存在となっている。

(参考記事:北朝鮮軍、コロナ対策で警告通り違反者を射殺

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これは、新型コロナウイルスを国内に絶対に持ち込ませないという当局の強い意志のアピールと思われる。

労働鍛錬隊送りにされた人たちは、朝から晩まで強制労働に苦しめられている。

情報筋の説明では、午前5時から午後6時まで、越冬準備のためのきつい肉体労働をさせられた上で、それ以降は朝鮮労働党の「党の唯一領導体系確立の10大原則」を学習させられる。暗記すべき課題ができなければ、睡眠時間を奪われるという拷問に苦しめられる。

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通常の刑期は1ヶ月だが、最短で5日程度で出所する人もいる。模範囚というわけではなく、カネやコネで刑期を短縮してもらうのだ。

(参考記事:数百円で量刑を3分の1にできる北朝鮮の司法制度