北朝鮮国営の朝鮮中央通信が17日、自衛隊が北海道で大規模な実働演習を行ったことや、日本政府内で「敵基地攻撃能力」についての論議が行われていることなどに対し、「日本の軍国化は戦争を視野に入れた最終段階に至った」とする論評を配信した。同通信が日本非難の論評を出したのは、菅義偉内閣の発足後初めて。
陸上自衛隊北部方面隊と離島防衛の専門部隊・水陸機動団(長崎県)による実動演習が8月28日から9月10日まで、約1万7000人が参加し道内16拠点で行われた。北海道では例年、本土への侵攻を想定した演習を行ってきたが、今年は初めて、離島が攻め込まれた事態を想定した。
論評はこうした動きに対し、「(自衛隊の)の海外進出と各種の軍事演習は、いっそう露骨になる軍国化策動の一環として、極に達した戦犯国の侵略野望を如実に示している」と非難した。
(参考記事:日本の「軍事大国化」に震える韓国と北朝鮮)
さらに、「看過できないのは、米国の地上配備型迎撃システム『イージス・アショア』の配備計画の撤回を契機に、『敵基地攻撃能力』保有を合法化した新しい安全保障政策の樹立を追求していることである」と指摘。「事実上の先制攻撃能力保有の主張と同じである」と主張した。