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立て続けに3つの台風に襲われた北朝鮮。黄海道(ファンヘド)、江原道(カンウォンド)、咸鏡道(ハムギョンド)など被害は広範囲に及んでいる。

金正恩党委員長は、「首都の優れた中核党員1万2000人で咸鏡南・北道にそれぞれ急派する最精鋭首都党員師団を組織する」と、平壌市の党員に向けた公開書簡で表明した。しかし、北朝鮮国民の反応は冷淡だ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

(参考記事:「首都党員師団1万2千人を被災地へ」金正恩氏が公開書簡

平安北道(ピョンアンブクト)龍川(リョンチョン)の住民によると、道党(朝鮮労働党平安北道委員会)は公開書簡を受けて、軍隊経験を持つ工場、企業所の核心党員からなる党員突撃隊の1次部隊を組織した。被災地に派遣され、住宅建設を請け負う予定だ。一般住民は、被災地向けの物資の供出を求められている。

当局は「人民を愛する元帥様(金正恩氏)の意思を掲げ、各機関、企業所と人民が台風被害を受けた住民を助けるために立ち上がろうとする平壌の国風が地方にまで広がっている」などと宣伝している。

しかし、住民の間からは、国が行うべき復旧作業や被災地支援を、新型コロナウイルスでただでさえ苦しい思いをしている末端の党員や一般住民に押し付けていると批判の声が上がっている。また、「悪化する世論をなだめるだけのものだ」との冷淡な反応も見せている。

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人員を大量動員して送り込むのは、北朝鮮の得意とするところだが、多くの場合が現地住民の役に立つどころか、むしろ迷惑となっている。

金正恩氏も視察に訪れた黄海北道(ファンヘブクト)の銀波(ウンパ)郡の水害被災地に、災害復旧で派遣された幹部12人が、仕事をサボって酒盛りをしていたことが発覚する事件が起きた。

(参考記事:金正恩氏の「心配ごと」あざ笑った幹部12人に迫る運命の日

2016年の台風10号(ライオンロック)により甚大な被害を受けた被災地では、災害復旧で派遣された兵士が被災者から家財道具や食糧を盗む事態が多発し、金正恩氏が「復旧建設中に人民の財産に手を出す現象が発生すれば、その場で銃殺してもいい」との命令を下す事態となった。

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(参考記事:金正恩氏、水害被災地の略奪行為に「即時処刑」の命令

平安南道(ピョンアンナムド)の住民は党員大量動員の意義を疑問視し、今回の公開書簡を発表するやり方について、1995年に金正日総書記が発表した「親筆書簡」(自らサインした書簡)との共通点を指摘した。

血の涙のうちに1994年を送り新年を迎えます。
金日成同志の戦士、金日成同志の教え子らしく、わが国、わが祖国をより富強にするため、われらすべてが一心一体となって奮闘しましょう。
1995.1.1
金正日

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金日成主席の死去で大きなショックを受けた北朝鮮国民だが、この書簡を読み、日々悪化する食糧事情にも文句ひとつ言わず、金正日氏に忠誠を尽くした。しかし、当の金正日氏は体制維持に汲々とし、飢えに苦しむ国民にコメ一粒与えなかったというのが、情報筋の語った当時の印象だ。

今回の書簡も、被災地支援の雰囲気を盛り上げる一方で、思想の引き締めを図り、ない袖を振らせて体制を守ろうとするのが本音だろうと、住民は見ているという。

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