北朝鮮の金正恩党委員長は5日、台風9号により被害を受けた咸鏡南道(ハムギョンナムド)を視察。現地で党政務局の拡大会議を開き、同道と咸鏡北道(ハムギョンブクト)の復旧に向けた党中央軍事委員会命令を下すなどした。朝鮮中央通信が伝えた。
同通信によると、「台風9号による豪雨と強風によって、咸鏡南道と咸鏡北道の海岸沿線地帯で1000余世帯の住宅がそれぞれ破壊され、少なくない公共施設と耕地が浸水した」という。
金正恩氏は会議で、被災地支援のため平壌市の党員を動員し「首都党員師団」を組織する方針を表明。また、咸鏡南道党委員会の金成日(キム・ソンイル)委員長を解任し、党中央委員会組織指導部の副部長を新たに道党委員長に任命した。台風対策を怠った責任を問われたと見られる。
金正恩氏は被災地を視察しながら「今回被った津波の被害が示すように、現在わが国の全般的な海岸沿線地帯の安全対策が不備で、海岸防潮堤がまともに建設されていないと厳しく指摘し、この問題も今後、われわれが重要な政策的課題にとらえて早急に対策を取るべき事業である」と指摘。
さらに「今後も引き続き自然の狂乱が押し寄せる状況で先を見通して水陸線に近い所にある住民地に対する安全性を徹底的に検討し、考慮して、安全地帯へ移動させる計画を立てるべきだ」と語った。