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「その後は手紙を書きたい思いが無くなった。どんな内容でまた怒られるもわからないので、放棄することにした」と述べ、10年の間で手紙を7〜8通だけを送受信した。

軍官(将校)だった脱北者のリ・ソンCル(2010年に脱北 40歳)さんは、「私がいた中隊では、黄海道松林出身の兵士がいた。栄養失調で入隊2年後に死亡したが、彼の母が6ヶ月前に送った手紙を彼が死亡した後に私が受け取る事があった」と伝えた。これが通信手段が劣悪な北朝鮮軍の現状だ。

「兵士が苦しくて寂しい時にもらう故郷からの手紙は力の源になるのだが、これを受け取るにも時間がかかり、兵士が返事を送るのにも同じく時間がかかる。部隊の位置や軍事機密を保持するための厳しい検閲があるからだ」と説明した。

また、手紙の受け取りが禁止されている兵士もいる。護衛司令部の金正日の護衛兵や中央党5課(喜び組などを選抜する課)の所属の場合には、除隊するまで一切が禁止されている。