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旧社会主義国は1950〜60年代ころから国内に外貨商店を開設し始めた。旧ソ連ではベリョースカ、中国では友誼商店がそれに当たる。当初は、海外から来た人や駐在する外交官が対象だったが、徐々に配給では中々手に入らない商品を外貨で売ることで、国内に眠る外貨を国庫に吸収する役割を果たすものへと性格が変わった。

これらの店舗は、社会主義計画経済システムの撤廃、海外渡航や外貨所有の自由化で役割を終え、姿を消した。世界的に数少ない、外貨商店の残る国が北朝鮮だ。

平壌市内には、プクセ商店、普通江柳京商店、楽園百貨店、大成百貨店など数多くの外貨商店がある。脱北者である東亜日報のチュ・ソンハ記者は、著書『平壌資本主義百科全書』で、平壌の特権層はシャネルや資生堂の化粧品、ナイキ、フィラ、ミズノのスニーカー、グッチのサングラスを外貨商店で買い求めている実態を紹介している。旧社会主義国の外貨商店も特権層用の店としての顔を持っていたが、北朝鮮ではそれらを遥かに上回る超高級ブランドショップとなっている。

(参考記事:金正恩氏は「喜び組アンダーウェア」、富裕層はブランドバッグ…制裁下の北朝鮮

ところが最近、北朝鮮で閉店する外貨商店が増えていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。理由は新型コロナウイルスだ。

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北朝鮮と取り引きのある中国の貿易業者は先月末、RFAの取材に、北朝鮮国内の外貨商店のうち、かなりの数が閉店し、まだ営業を続けている店もいつまで続くかわからない状況だと述べた。

北朝鮮は今年1月、新型コロナウイルスの国内流入防止策として国境を封鎖し、貿易を停止する措置を取った。それにより商品の輸入が激減。さらに4月に不要不急品の輸入規制が行われ、輸入品の価格が高騰する事態となった。さらに、外貨で買い物をできるほど経済的に余裕がある人が減ってしまったことで営業不振に陥り、平壌に20店舗、全国で50店舗ほどある外貨商店の多くが閉店してしまったというのだ。

(参考記事:北朝鮮で続く物価高騰、きっかけは政府発表

一方で、平壌のデイリーNKの内部情報筋が伝えてきたのは、前述の業者とは相反する景気のいい話だ。市内の外貨商店で液晶テレビが飛ぶように売れているというではないか。

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この液晶テレビは、先月25日から楽園百貨店、大成百貨店、プクセ商店などで売り出されたHCブランドの製品だ。市内の寺洞(サドン)区域にある大同江(テドンガン)テレビ受像機工場が、理系の名門大学である平城(ピョンソン)理科の大学電子自動車学部の卒業生10人を技術者として採用、中国から設備と資材を取り寄せて生産しているものだ。

資金を出したのは、遼寧省出身の中国人投資家。工場、対外経済省と今後3年間の販売利益の全額を受け取るとの契約を結んだとのことだ。当局は、3年間は国内で販売して、国内の外貨を吸収した後、中国に輸出して外貨を稼ごうと目論んでいるというのが情報筋の説明だ。

4つあるサイズのうち、最も人気の17インチ型は、バッテリーを2時間充電すると他のサイズより2倍長い8時間使用が可能という、電力事情の悪い北朝鮮ならではの仕様だが、価格は550ドル(約5万9000円)だという。

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平壌では配給がストップし、金正恩党委員長が懸念を示すほど食糧事情が悪化していると伝えられているが、その一方で550ドルもするテレビが飛ぶように売れている。北朝鮮で最も豊かな平壌市内ですら、所得格差の拡大が進んでいることが垣間見える。

(参考記事:金正恩が焦る平壌の食糧難…解決策は「市民追放」

平壌とは比べ物にならないほど貧しい地方の人々からは「中国製のテレビは50ドル(約5400円)もしないのに、なんであんな高いものを買うのか」「中国製を買って残りで米を買う」などと不評だという。前述の業者の述べた「外貨商店の大量閉店」は、地方の比較的豊かな層や、平壌の中間層が主に利用していた店舗を指している可能性が考えられる。

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