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韓国統一省の集計では、2019年に北朝鮮を脱出して韓国に入国した人の数は1047人だった。2006年から2011年までは2000人を超え、2009年には2914人に達していたのと比べると大幅に減少している。

その大きな原因のひとつが、中朝国境の警備の強化だ。中国の辺防部隊(国境警備隊)は、監視カメラなどの設備を使って国境地帯を24時間体制でモニタリングしている。一方の北朝鮮の国境警備隊は、国境の川を渡って脱北しようとする人を射殺するなど、強硬な手段に出ている。

(参考記事:1日に3人射殺、7人を自殺させた「金正恩の忠臣」が辿る末路

このように脱北を取り締まる役割を担う国境警備隊の兵士が脱北し、中国に逃れたものの逮捕され、4ヶ月後に強制送還されたと、平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えている。

この兵士は、新義州(シニジュ)の国境警備隊で勤務する18歳の兵士だ。昨年4月に軍に入り、新兵訓練を経て半年後に国境警備隊に配属されたばかりの新兵だ。この兵士は今年1月、勤務中に逃亡を図り、川を渡って向かいの中国・遼寧省の丹東にたどり着いた。

その後、あてもなくさまよい吉林省の通化までたどり着いた。丹東から通化までは約300キロ離れている。新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、地域間の移動が制限されていた状態でどのようにして移動したのかは謎だ。

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中国で息を潜めて暮らす脱北者たちは、新型コロナウイルスの検査をきっかけに逮捕、強制送還されることを恐れて山で身を潜めている。この兵士も、人気のない山道をたどり、歩いて300キロを移動した可能性がある。

(参考記事:新型ウイルス防疫作業を恐れ山へ逃げる脱北者

兵士は今年3月、食べる物と着る物を求めて民家に空き巣に入ったところを、住民の通報で駆けつけた地元の公安局に逮捕された。

北朝鮮と国境を接する中国の各地域は、以前から脱北した朝鮮人民軍(北朝鮮軍)兵士による犯罪に悩まされている。中でも、2013年から2016年にかけては強盗殺人事件が相次ぎ、中国外務省が北朝鮮に遺憾の意を表明するほどの状況だった。国境警備の強化で脱北兵士による犯罪は一時と比べては減ったとは言われているが、根絶には至っていない。

(参考記事:北朝鮮からの越境犯罪に激怒か…中国側から「悪口」放送

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通常、脱北者が逮捕された場合、地域の公安局と国境の留置施設を経て北朝鮮に強制送還されるが、この兵士の場合は、逮捕直後に丹東の辺防部隊に身柄を移され、取り調べを受けた上で4月に北朝鮮に強制送還された。

取り調べでこの兵士は、空腹と上官の「パシリ」や暴言に耐えかねて脱北したと陳述した。

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

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国境警備隊は朝鮮人民軍の中でも比較的、恵まれた部隊だ。国境に接している地の利を生かして、密輸や脱北の幇助をして手間賃を稼ぎ、経済的に余裕があると言われている。また、食糧、衣類ともに充分に配給されている。

息子を軍に送り出す親は、少しでも楽に暮らせるようにとコネとワイロを使って、国境警備隊に配属されるように努力する。もしかしてこの兵士も、そんなケースなのかもしれない。

ところが、実際に配属されてみると話が違った。生活が苦しかったのだ。コロナの影響で密輸が困難になった影響かもしれない。また、通常の勤務、訓練に加え、政治学習などスケジュールは非常にタイト。さらに、上官の命令で違法行為に加担させられていた可能性もある。

発覚しても、主犯の上官はお咎めなしで、罪は下級兵士になすりつけられることも多い。

(参考記事:北朝鮮の国境警備兵が赤裸々に告発「犯罪天国」の実態)

北朝鮮当局は、脱北を取り締まるべき立場にある国境警備隊の兵士でありながら、自ら脱北したことを「思想状態に問題がある」として、事態を重く見ている。情報筋は、軍法により厳罰に処されるだろうと見ている。また、国境警備隊全体に対する思想検討を行い、兵士がいた中隊長や政治指導員に対する責任も問われるものと予想されている。

(参考記事:上官の暴力に苦しめられてきた北朝鮮軍兵士の「独特な」復讐劇

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