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日本の大手電力会社10社は先月末、5月の電気料金を値上げすることを発表した。新型コロナウイルスによる減収対策として公共料金の減免が求められている中でのこの発表は、批判を呼んだ。

日本海を挟んだ北朝鮮でも、電気料金の値上げが始まった。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、1キロワットあたりの電気料金が昨年下半期に370北朝鮮ウォン(約4.5円)に値上げされたが、年末からは所有する電化製品ごとに1000北朝鮮ウォン(約12円)から2000北朝鮮ウォン(約24円)の料金徴収が別途行われるようになったと伝えた。

北朝鮮の電気料金は極めて安価だったが、昨年から各家庭に電気メーターを設置させ、電気を使った分だけ支払う方式への変更が進められている。数百倍から数千倍の値上げとなる上に、メーターは有料で買わされるとあって、抵抗する人も少なくなかったが、地方でも進行中のようだ。

(参考記事:北朝鮮で電気料金改革…庶民の外貨を吸い上げ

電気料金は、洞事務所(末端の行政機関)からの通知を元にして、人民班長(町内会長)が四半期ごとに家々を回って徴収することになっている。ところが、これに不満が噴出して、順調に進まないのだという。

(参考記事:「電気の使いすぎは懲役刑」北朝鮮の過激な省エネ対策

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その不満とは、家に設置した家に設置したソーラーパネルを使って発電しているのに、なぜお上に電気代を払わなければならないのか、というものだ。

北朝鮮国民ももはや、国が電力を供給してくれることにあまり期待しておらず、自主的に電気を確保しようとしている。少しでも余裕のある家庭は、自宅にソーラーパネルを設置して発電し、照明やテレビなどに使っている。

(参考記事:【北朝鮮国民インタビュー】「国が電気を供給してくれていた時代に未練はない」

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しかし当局は、各家庭がソーラーパネルだけでは不足する電気を、発電所からの電気で賄っているはずだと見て、なんとしてでも料金を払わせようとしている。

払う余裕のない家庭は、電化製品を「売り払った」「故障した」などと言い逃れしようとする。

人民班長の中には、事情を察して見てみぬふりをする者もいるが、頭の固い人民班長は払わせようとして喧嘩になるという。

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国際社会の制裁に加え、新型コロナウイルス対策としての国境封鎖、貿易停止で、北朝鮮国民の懐は冷えに冷え切っているのだ。

(参考記事:借金取りに追われる北朝鮮の農民「返せない」と開き直る