北朝鮮は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、1月末から国境を封鎖する措置を取っている。そんな中で脱北を試みた人が、新型コロナウイルスの感染者であったことがわかった。

中国の情報筋によると、今月20日、北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)から、国境を流れる豆満江を渡り脱北しようとしていた女性が、中国の辺防部隊(国境警備隊)に銃撃された。

脱北者に対する北朝鮮側の銃撃はしばしば起きているが、中国側からのものはあまりない。

(参考記事:「北朝鮮から撃たれるかも」中国が国境地帯の住民に警告

銃撃された人は重体に陥り、中国吉林省の延辺朝鮮族自治州の龍井市内にある病院に搬送され治療を受けたが、検査の過程で新型コロナウイルス陽性であることが判明した。
病院はこの脱北者を隔離し、一般住民の病院への接近を禁止するなど対応に追われている。

情報筋は、陽性となった脱北者の氏名、居住地、脱北の動機などには触れていない。

北朝鮮政府は対外的には国内での発生を一切認めていないが、国内では発生を認める発言を行っている。脱北者から陽性反応が出たことは、国内での感染拡大がある程度広がっていることがうかがわれる。

(参考記事:「みんな感染しちゃう」金正恩の強制動員に女性らが悲鳴

特に朝鮮人民軍(北朝鮮軍)での集団感染がたびたび発生している模様だ。

(参考記事:北朝鮮の軍医ら、高熱・呼吸困難で相次ぎ死亡…コロナ感染の疑い

中国の地方政府は、新型コロナウイルスの感染者発生、移動経路などについて詳細な発表を行っているが、今回の件については今のところ発表されていない。

吉林省衛生委員会の23日の発表によると、22日は吉林市で1例報告があり、海外から持ち込まれた例は累計で14例、うち6例は退院、吉林市の7例と長春市の1例は入院治療中としているが、龍井市の事例は含まれていない。

延辺では3月下旬に2人の帰国者が陽性判定されているが、米国からの帰国者で、北朝鮮から入国した人の中に感染者がいたとの情報は発表されていない。龍井市では2月6日以来、感染者の報告はない。

    関連記事