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北朝鮮の金正恩党委員長が参加して、12月に竣工式が行われた、両江道(リャンガンド)三池淵(サムジヨン)郡邑(ウプ)地区の再開発事業。

その一環として建設された三池淵劇場で1月25日、旧正月記念公演が開かれ、金正恩氏や李雪主夫人らが観覧した。注目を集めたのは、処刑された張成沢(チャン・ソンテク)氏の妻で、金正恩氏の叔母にあたる金慶喜(キム・ギョンヒ)氏の登場だ。

(参考記事:金正恩氏の叔母・金慶喜氏の健在確認…処刑された張氏の妻

重病説、処刑説など様々な憶測や噂が飛び交っていただけあって、彼女の健在ぶりは、現地の住民にも驚きを持って受け止められたようだ。

両江道の情報筋は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に「住民たちは最高尊厳(金正恩氏)が三池淵劇場で叔母の金敬姫氏と旧正月記念公演を観覧する様子をテレビで放映されるや『驚きだ』という反応を見せた」と述べた。

(参考記事:「夫を処刑され、金正恩に拳銃を向けた」叔母が再登場した理由

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この公演に合わせて、氷の彫刻祭典が同25日に始まったと、別の現地の情報筋はRFAに明らかにしたが、現地の住民に様々な悪影響を与えているようだ。

2005年から始まったこの氷の彫刻祭典だが、金正日総書記が亡くなってからは、生誕記念日に光明星節(2月16日)を記念するイベントとして行われるようになった。

実際、今年も2月の上旬から始まる予定だったのだが、市民に知らせられないままにいきなり1月25日から始まった。これは、旧正月記念公演が1号行事(金正恩氏が参加する行事)として行われたことと関係しているようだ。金正恩氏は昨年10月に三池淵を訪れたが、行動ルートが事前に外部に漏れたとして、国家保衛省(秘密警察)の厳しい検閲(監査)が行われている。

(参考記事:金正恩氏の「デリケート情報」が洩れて10人が処刑の危機

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それ以外にも、三池淵の地元住民は、氷の彫刻祭典の開催による様々なしわ寄せを受けている。

まずは電気だ。元々、1日に1〜2時間電気が供給されていたが、旧正月の10日ほど前から、急に電気が全く供給されなくなった。ただでさえ不足している電力だが、氷の彫刻祭典会場をライトアップ用に使っているため、一般家庭には回ってこなくなった模様だ。

また、多額の外貨をはたいて数十トンの氷を中国から取り寄せ、彫刻技術者のみならず、地域住民も動員され、昼夜を分かたぬ準備作業を強いられた。

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「住民を苦労させた上で始まった三池淵氷の彫刻祭典は、今でも住民に供給すべき電気を使い、豪華な照明でライトアップされている。極寒の中で住民は、白頭血統(金氏一家)をかたどった氷の彫刻が破損しないように、夜通しで警備をさせられている」(情報筋)

(参考記事:「氷の彫刻祭典」で使い捨てにされ怒り心頭の北朝鮮国民

別の情報筋は、今年出品された氷の彫刻の中には、白頭山にはためく赤旗をかたどったものなどがやけに多いと証言した。また、金日成主席が抗日パルチザン活動を行い、金正日氏の生まれ故郷とされるこの地で、さらに白頭血統(金日成氏一族)の偶像化をさらに強化しようとする動きと見ているようだ。

「白頭血統の偶像化で、金日成社会主義守護思想を注入しようという意図だろうが、住民は外貨を湯水の如く使って人民生活を顧みず、豪華に開催される三池淵氷まつりに反感を示している」(情報筋)