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北朝鮮を覆う深刻な病弊の一つが、物資の横流しだ。不足する現金収入を補うために、輸送の担当者や幹部が工場の生産品、農場の穀物などを市場や外国に売り払うのだが、それが深刻な食糧や物資の不足に拍車をかけている。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の朝鮮人民軍(北朝鮮軍)関係筋の話として、軍が横流しを取り締まる部署を新設し、さらに厳しい取り締まりに乗り出したと伝えた。

軍が設けたのは軍人生活検閲課という部署だ。連隊以上の部隊に新設されたこの部署は、軍部隊への補給物資が輸送過程や部隊到着後に横流しされていないか監視するものだ。摘発されれば、出党(労働党除名)、更迭、不名誉除隊などの処罰を受ける。

部署の設置を受け、少なくない軍幹部が摘発されるのではないかと怯えている。中でも中隊長、政治指導員などは検閲を控え、隠ぺいの徹底に余念がないが、横流しした軍糧米の量があまりにも多くて隠しきれるか悩んでいるという。

一方、咸鏡南道(ハムギョンナムド)端川(タンチョン)市の検徳(コムドク)鉱業連合企業所では、物資の横流しを取り締まる側が横流しをしていたとして逮捕される事件が起きたと、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えている。

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逮捕されたのは、「労務者」という民間人の身分ながら、軍に勤めていた男性だ。彼の所属部隊は、検徳鉱山で採掘された鉱物が横流しされることのないように、鉱山周辺の3ヶ所で哨所(検問所)を運営している。

男性はその身分を利用し、複数の近隣住民と共謀し、数年に渡って鉱山で採掘された鉛と亜鉛を車両を使って中国国境まで輸送していた。到着した鉱物は中国に密輸出されていた。

脱北者の証言によると、この鉱山では、大飢饉「苦難の行軍」直前の1990年代中盤から組織的な密輸が行われていた。中国は2016年12月、国連の対北朝鮮制裁決議2321号を履行するため、北朝鮮からの亜鉛の輸入を禁止した。それ以降、公式の対中輸出はストップした。

(参考記事:中国、北朝鮮産の銅・ニッケルなどの輸入を禁止「制裁の一環」

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そのため、鉱山労働者や近隣住民は、市場での商売で得るわずかばかりの利益で糊口をしのがざるを得なくなった。しかし、この男性らは商売もしていないのに、余裕のある暮らしをしていたことから、何かよからぬことをしているに違いないとの噂が立っていた。

中央党(朝鮮労働党中央委員会)からやってきた幹部が鉛と亜鉛の輸出について調査した結果、彼らの犯行が明らかになった。家宅捜索を受け、自宅にあった中国人民元はすべて押収された。現在、予審(捜査終了後起訴までの追加捜査、取り調べ)を受け、裁判を待つ身だ。他の部隊関係者も取り調べを受けており、逮捕者はさらに増える見込みだ。

2018年11月には、鉱物の密輸を行っていた労働者を含む36人が公開裁判を受け、有罪判決が下されるなど、何度も摘発されてきたが、一向に収まる気配はない。

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(参考記事:公開裁判も「氷山の一角」…北朝鮮で進む密輸の組織化

両江道(リャンガンド)の軍関係者はRFAの取材に、取り締まり以降横流しは目に見えて減ったとしつつも、時が経つにつれ、横流しを取り締まる軍人生活検閲課はワイロを受け取り横流しを見逃すようになり、さらには横流しを手助けする部署になる可能性も排除できないと述べた。

国際社会の制裁を招いた核、ミサイル開発、不正行為をしなければ生きていけない現在の北朝鮮の社会システム、不効率極まりない農業生産など、国のあり方が変わらない限り、いくら厳しく取り締まったところで、横流しが根絶されることはないだろう。

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