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北朝鮮では、すべての住宅は国が建てて国民に無償で提供することになっている。その根拠となるのは、住宅法の第3条だ。

人民の住宅問題を国が責任を持って円滑に解決するのが我が国社会主義制度の本性的要求だ。国は現代的な都市住宅と農村住宅を国の負担で建てて人民に保証する。

すべての北朝鮮国民は、各地域の人民委員会(市役所)から居住権を証明する「国家住宅利用許可証(入舎証)」を得て、無償で割り当てられた住宅に住むことになっている。現在ではなし崩し的に不動産の売買が行われるようになっているが、この「住宅は無償提供」という「建前」は生きている。

国の政策で住んでいる人を立ち退かせる場合は、代わりの住居が提供されることになっているが、実際にはまともに建ててもらえない。厳寒期にもかかわらず、多くの人が路頭に迷っていると、平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

その場所は、平安南道の北部、北朝鮮が誇る大穀倉地帯「十二三千里平野」にある文徳(ムンドク)郡の金渓里(クムゲリ)、漁龍里(オリョンリ)の協同農場だ。

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いずれの農場も、東側は平壌と妙香山(ミョヒャンサン)を結ぶ高速道路、西側は平壌と新義州(シニジュ)を結ぶ鉄道に囲まれている。北朝鮮を訪れる外国人観光客も多く利用するものだ。

外国人からどのように見られるかを非常に気にするのが、北朝鮮のお国柄だ。かつて金正日総書記は、「障碍者が、革命の首都である平壌にいると、外国人に不快な印象を与える」という信じられない理由で、障碍を持った人に対して追放令を下したことからもわかる。

(参考記事:障碍者という理由だけで追放される「革命の首都」平壌

農場の幹部は昨年夏、党の政策に従うとして、高速道路のそばにある古い住宅を新しい住宅に建て直す事業を始めた。対象となったのは75世帯だ。

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古い住宅が撤去され、新しい住宅を建てる工事が始まったが、それから4ヶ月経ったのに未だに完成していない。その原因は、資材不足だ。セメント、レンガ、タイル、木材などの資材の調達が順調にできなかったのだ。

国際社会の制裁の影響で、農作業に必要な資材が調達できない状況が続いているこの地域の協同農場は、必要な資金を作る目処が立たないままで、見切り発車してしまったようだ。事業のスタートが遅れれば、処罰されかねないという事情もあったのかもしれない。

(参考記事:「制裁ですべてが足りない」北朝鮮国内から悲鳴…食糧危機の懸念も

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工事は遅々として進まず、やがて軍から派遣されていた建設労働者も撤収してしまった。冬の寒さに耐えきれなくなった一部の人は、自費を投入して家を建てた。75世帯のうち、12世帯が家を完成させた。ほかに23世帯は完成はしたものの、内装工事が終わっていない状態の家で暮らしている。

内装は住む人が行うというのが北朝鮮の習慣だが、秋の収穫、決算、総和(総括)に加え、10月から始まった国土管理総動員に駆り出され、工事を行う時間的な余裕がなかったのだ。

残りの40世帯は、資材を買う資金がなく、他人の家に居候したり、それすらできない人は、ビニールハウスで寒さを凌ぐ有様だ。

当然のことながら、家がないままでの越冬を強いられている人は強い不満を表している。農場の幹部の言うことを信じて、まだまだ住める家を差し出してしまったからだ。自費で家を建てた人の間からは「それだったら工事に同意していなかった」との後悔と不満声が吹き出している。

このような事例は、各地で報告されている。咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)では2018年、市当局が市場周辺の美化事業を名目に、周辺に住んでいた人を立ち退かせたが、骨組みしかできていない家以外の補償をしなかった。

(参考記事:再開発「強制立ち退き」に不満募らす北朝鮮国民。その行き着く先は…

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