私たちは、中東、北アフリカで広がっている民主化革命の文明史の津波を目の当たりにしている。マルクスもレーニンも毛沢東も思いつかなかった連鎖的革命の波が国境を越え、長期独裁者をなぎ倒している。このような文明史的な大転換の瞬間には、この事件を巨視的に把握しなければならない。
1990年代初めには、ソ連の衛星国家の東欧の社会主義国家が一瞬で崩れ落ちた。なぜそうなったのだろうか?
それは反資本主義、反帝国主義、社会主義革命を主張していたが、実際には共産党の一党独裁は人間の自由を抑圧し、国民の経済的欲求を人為的に抑制していた古い体制に対し、国民が耐えることが出来なくなったからだ。
筆者は東欧が自由民主主義体制に転換される時、社会主義兄弟国家の北朝鮮も崩壊するかも知れないと考えた。自称・主体国家の北朝鮮は、社会主義兄弟の援助があって初めて経済が回っている国だった。また、北朝鮮は1990年代には事実上人災であった大飢饉によって約300万人の餓死者が発生し、経済はほぼ完全に破綻、その後、金大中・盧武鉉政権の太陽政策の助けと、核問題を通じて内部の統制力を維持した。歴史は迂迴路を選択したのだ。
東欧の社会主義国家消滅から約20年が過ぎた今、中東と北アフリカではあの文明史的な変化に次ぐ大革命が起きている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面米国は「アラブ国家の民主化、または石油とイスラエルの安保」では、常に後者を選択してきた。その結果、イスラム民主化革命の初期段階では、既存の中東政策の慣性から抜け出すことができなかった。幸いにも米国は、イスラム民主化革命の不可避性を素早く把握し、エジプトではムバラクと即座に縁を切った。
中国はイスラム民主化革命から目を背けている。数億人に達する農村出身の都市労働者の悲惨な現実、人権弾圧、後進的な政治体制などから、「共産党の一党独裁」が脅威を受ける可能性があるからだ。しかし、現在、中国当局はインターネットを制限し色々な検閲を行っているが、韓国の経験から言わせてもらうと、これは長続きはしないだろう。
多分、イスラム民主化革命を最も望んでいない人物は金正日ではないか。何故なら近いうちに崩壊するカダフィ一家と自身を重ねあわせているだけでは無い。リビアの残忍なデモ弾圧にもかかわらずカダフィが追い出されれば、現在行っている国民弾圧を続けにくくなり、神政体制ではなく自由民主主義を選択するドミノ現象に飲まれるだろう。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面イランは北朝鮮の核開発パートナーであり、武器を購入するサポーターでもある。北朝鮮にとってイランとの関係がこじれのは、非常に大きな打撃である。また、全世界が自由民主主義体制を目指すとなれば、開放経済を維持しなければならない中国も、一定の民主化を許容せざるをえない。こうなれば北の首領体制はますます厳しくなる。