金正日の健康問題で、金正恩への権力継承が急速に進んでいるなか、後継体制がソフトランディングするかどうかに内外の関心が高まっている。

現在における金正恩後継体制の内的不安定要因は、▲金正恩後継体制の準備不足▲金正恩の経験とリーダーシップの欠如▲金正恩の脆弱な支持基盤と支配エリートの反発▲後継過程での派閥の形成などが挙げられている。

金正恩は、こういった不安定要素をおさえるために、天安艦爆沈事件や延坪島砲撃のような対外挑発に力を注ぎながら、内部ではパワーエリートの掌握に力を入れていると、対北朝鮮専門家たちは見ている。

金正恩へ権力が委譲されていないなかで、金正日の健康悪化や死亡した時、金正恩の後継体制は、リーダーシップの不在という危機に直面する可能性がある。北朝鮮の最高指導部の最大の懸念は、まさにここにある。

金正恩時代のパワーエリートには、昨年9月の党代表者会で選出された政治局常務委員、政治委員、そして、党中央軍事委員会の幹部たちが挙げられる。

対北消息筋は「金正恩が権力を完全に掌握する前に、金正日が死亡すると、パワーエリートたちの自発的な支持を導き出すために相当苦しむだろう。金正恩の後継体制の安定のために、内外の多様な政策を取る可能性があるが、最も重要なのは、パワーエリートに対する保証だ」と指摘する。

現在、金正恩は最高位層の幹部に対して独断的な人事まではしていないようだが、幹部人事については、直・間接的に関与しているというのが専門家たちの意見だ。これは、金正恩が最高位層の幹部の人事問題などは金正日に提案書で報告し、金正日の認可を通じて影響力を行使するという説明だ。

チョン・ソンジャン世宗研究所首席研究委員は、デイリーNKとの電話インタビューで「金正恩が政治局常務委員、党中央軍事委委員、国防委員会副委員長などの最高級幹部の人事に直接関与している。金正恩は、最高級人事に関した意見を金正日に提議書などを通じて相談と決定をし、その下の幹部については直接指導している」と説明した。

特に、金正日が側近の管理のため、プレゼント統治や秘密パーティーなどを開いたが、金正恩もそのまま踏襲する可能性が高いと思われる。金正日は組織の指導部と総政治局、および防衛司令部などで党、政、軍のパワーエリートたちに対して徹底的な監視と統制を進める一方、懐柔と忠誠心を高めるために、プレゼント政治と側近のパーティーを行ってきた。

黄長燁・元労働党秘書によると、金正日は自らが権力を握り始めた1970年代初頭から、側近を管理する為に秘密のパーティーを開始し、後継者として正式に選出された1974年からは側近と秘密パーティーを定例的に行った。

これと共に、金正日はパワーエリートに定期的に現金やプレゼントを提供し、忠誠心を抱かせた。高位幹部出身の脱北者らによると、金正日はパワーエリートに還暦賞を与え、健康状態が悪い時には特別の飛行機を提供し、海外の有名病院で治療を受けるよう支援した。

金正日は、秘密のパーティー参加の幹部らへ自身の最側近だという認識を植え付け、秘密のパーティーで主要人物と政策の方針を決定した。金正日は味方を作る人心把握術の一環として、秘密のパーティーを進めてきたというのが高位脱北者の証言である。特に、秘密パーティーは様々な恩恵を与えることによって忠誠心を高めるだけでなく、特権を共有する運命共同体との認識を伝えていく意図があった。

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このような金正日の方針は、権力掌握と維持に重要な役割をしたというのが北朝鮮専門家の分析。よって、急ピッチで進められている金正恩への権力継承の過程で、パワーエリートの自発的な忠誠心を誘導するために、このような秘密のパーティー形式などを金正恩が踏襲するものと見られる。

実際に、後継授業の過程で金正日が帝王学を金正恩に伝えており、この帝王学はプレゼント、政治との秘密のパーティーなどを通じた側近の管理も含まれているようだ。

金正日の料理人であった藤本健二は最近発行した「北朝鮮の後継者はなぜ金正恩か」という著書で、「張成沢が正恩大将と直接話をしている場面を頻繁に目撃した。張成沢はいろいろと教え、指導していたが、機会がある事に帝王学を教えようとしていたようだ」と回顧した。

匿名を要求した国策研究機関の研究委員も「金正恩は酒を好み、よく遊ぶことで知られているだけに、自分の側近を管理するためにも秘密のパーティーを開くだろう。特に、金正日が帝王学を既に教えていると思われるので、秘密パーティーで幹部を掌握しようとするだろう」と話した。

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この対北消息筋は「最近、金正恩専用の特閣を作っていることがわかったが、金正恩が秘密パーティーをしないなら、特閣を建てる理由がない。金正日の代表的な人心掌握術の政治と秘密パーティーは、北朝鮮のシステムで、幹部たちを掌握するのに非常に有用であることから、当然、金正恩も踏襲するだろう」と説明した。

イギリスの日刊紙テレグラフは、先月1日、北朝鮮が1億ポンド(約1734億ウォン)以上を投じて、平壌と咸鏡北道温泉地帯などの後継者金正恩のための豪邸を建てていると報じている。

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