先月、ロシアのウラジオストク空港で多額の現金を申告せずに持ち出そうとした北朝鮮人男性が拘束された。米国の北朝鮮ニュース専門メディア、NKニュースが報じた。
この男性は平壌へ向かう旅客機に搭乗しようとしていたところを税関職員に止められ、多額の現金を持っていることを明らかにした。革製のバッグの中に入っていた靴箱の中には、ビニール袋に入った札束が詰められており、額は19万2300ドル(約2180万円)と1000ユーロ(約13万円)だった。
現地の通信社、プリマメディアによると、男性は空港の出発ロビーの免税のグリーンチャンネル(申告品がない人用の通路)を通ろうとして、不審に思った税関職員に呼び止められ、口頭で尋問されたという。
ウラジオストク空港では昨年3月と6月にも、多額の外貨を持ち出そうとした北朝鮮男性が摘発されている。また今年10月には逆に多額の外貨を持ち込もうとした北朝鮮男性が摘発されている。そのため、税関当局が北朝鮮国籍者に目をつけていた可能性がある。
3000ドル(約34万円)相当額以上の現金、1万ドル(約1133万円)相当額以上の有価証券などの持ち出し、持ち込みには税関申告が必要だが、税関当局は規定の19倍を越える額だとして現金を押収した。男性は最高で懲役4年、額の15倍の罰金刑に処される可能性がある。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ウラジオストク税関の広報担当者はNKニュースの取材に事件の日付、容疑者の個人情報など詳細に言及することは避け、摘発は税関犬によって行われたと明らかにした。
NKニュースは、公開された画像や状況からして、事件が起きたのは11月16日(金曜日)で、摘発された男性の名前を「チョ・ミョングク」と推定している。ちなみに北朝鮮国営の高麗航空は、ウラジオストクと平壌を結ぶ便を、毎週月曜日と金曜日に運行している。
ウラジオストクでは多くの北朝鮮人労働者が建設業などに従事しているが、この男性は労働者の給料または上納金を本国に持ち帰ろうとして摘発された可能性がある。
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ちなみに、北朝鮮国籍者はウラジオストクのある沿海州、サハリン州、カムチャツカ州などへの渡航にあたっては事実上ビザが必要ない。