日本では入管難民法改正の議論が活発に行われる中で、外国人技能実習制度に対する批判が改めて高まっている。低賃金、長時間労働、暴力、暴言などが、年間7089人(2017年)もの実習生を失踪に追い込んでいる。

国連の自由権規約委員会は2014年7月、この制度について「人身取引の一形態」とし、「性的な虐待、労働に関連する死亡、強制労働にもなりかねない労働条件に関する報告が多く存在する」と指摘。新制度への置き換え検討を勧告している。

国際社会と共に北朝鮮の人権侵害を批判し、是正を促す立場にある日本は、自国内の人権侵害には敏感でなければならないのだが。

その北朝鮮には、日本の技能実習制度と似通った制度が存在するが、北朝鮮はこれを「制裁破りの人材派遣」に利用している。

昨年10月に採択された制裁決議2375号は、国連加盟国に対して北朝鮮労働者の就労許可の更新を禁じている。また、昨年12月に採択された制裁決議2397号は、現在滞在中の北朝鮮労働者を2019年末までに帰国させることを義務付けているが、咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、「技術学習生」なる制度が、制裁破りに悪用されていると指摘する。

本来、技術学習生とは、工場に所属する労働者がより高い技術を学ぶために、外部の学校や機関で学習することを指す。しかし北朝鮮当局と貿易会社は、「技術を学ばせる」という名目で労働者を中国に送り出しているというのだ。

今回派遣された人々は、以前も中国の工場で働いた経験を持つ熟練工だが、名目上「見習い」扱いのため、一般労働者としての派遣と比べ、賃金は低いだという。

技術学習生の身分で働くため、月1回は帰国してビザを更新する必要があるが、中国の対北朝鮮情報筋によると、北朝鮮の支配人が労働者に「平日は仕事があるからビザの更新は週末に行って来い」と指示するため、その分休日が減ってしまう。

韓国の研究所の北朝鮮研究者はデイリーNKの取材に、これは北朝鮮の貿易会社が当局とグルになって労働者を技術学習生に偽装させているもので、中国当局が黙認のもとに行われていると指摘した。

また、中国企業にとっても中国人労働者と比べて人件費が半分で済む北朝鮮人労働者を好むため、様々な手法で彼らを誘致しようとしているとも指摘した。

(参考記事:「北朝鮮労働者に帰ってきてほしい」中国企業のホンネ

今年3月30日には、約100人の女性が複数台のバスに分譲し、北朝鮮の新義州(シニジュ)から国境の橋を渡り丹東で下車する様子が目撃されている。また4月には、吉林省延辺朝鮮族自治州の和龍に、北朝鮮女性400人が現れた。いずれも中国に派遣された北朝鮮労働者と思われる。

(参考記事:突如として現れた「北朝鮮女性の大集団」…金正恩氏訪中の影響か