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中国のデイリーNK対北朝鮮情報筋は、吉林省延辺朝鮮族自治州の和龍に突如、北朝鮮女性400人が現れたと伝え、その様子を収めた動画を送ってきた。情報筋が今月1日に撮影した動画には、2〜30代に見える数多くの北朝鮮女性が列をなして和龍市内中心部の満客隆服装批発城の前の通りを移動する様子が収められている。

情報筋は「(北朝鮮から)これだけ多くの人が来るのは久々のことだ。金正恩氏の訪中と関連があるようだ」と語る。

(参考記事:【動画】突如として現れた北朝鮮女性400人

どうやら中国は、国連安全保障理事会の制裁決議で2019年末までの出国が求められているはずの北朝鮮労働者を、新たに受け入れる動きを加速化させているようだ。

(参考記事:【画像】金正恩氏の新たな商売「女子大生派遣ビジネス」の現場

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)も3日、延辺の情報筋の話として、100人あまりの若い女性たちが北朝鮮から中国の丹東に到着したと報じている。

実際、中朝首脳会談が開かれる前はむしろ、中国から撤収して北朝鮮に帰国する労働者の姿が多く見られたが、会談以降はあまり目につかなくなったという。

(参考記事:【画像】寂しげに帰国する北朝鮮美女たちの行く先

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別の情報筋は、制裁により稼働を中断していた中朝合弁企業には復活の兆しが見えると述べた。設備投資を行ってきた中国側の業者と、労働者を派遣してきた北朝鮮の貿易会社の代表団が近々協議を行うとのことだ。

昨年12月に採択された制裁決議2397号に基づき、中国当局は自国に滞在する北朝鮮労働者を順次帰国させる措置を取っていた。しかし、経済特区を設置して中国企業を誘致し、北朝鮮の安い労働力で生産を行うという、中国東北部の自治体が行ってきた経済振興策に深刻な打撃を与えた。

(参考記事:北朝鮮労働者の帰国とともに寂れゆく中国の工業都市

今回、400人の北朝鮮労働者が到着した和龍市も、和龍辺境経済合作区を設置している。また、それ以外の企業も北朝鮮労働者に多くの期待をかけてきた。地元の人々はよりよい賃金を求めて北京、上海、深センあるいは韓国に出ていってしまい、労働力不足に陥っていたからだ。

(参考記事:「北朝鮮労働者に帰ってきてほしい」中国企業のホンネ

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国際社会の足並みを乱す一連の動きについて、中国当局は今のところ公式の反応を示していない。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記