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北朝鮮と中国は、咸鏡北道(ハムギョンブクト)穏城(オンソン)郡の南陽(ナミャン)と、吉林省延辺朝鮮族自治州の図們市を結ぶ新たな橋の建設を進めている。今月10日には、橋桁の完成を祝う式典が行われた。

デイリーNKが入手した動画には、1941年に建設された図們国境大橋のすぐ隣に、上部構造が完成した橋があり、爆竹を鳴らして式典を行う様子が収められている。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は2016年9月、南陽と図們を結ぶ国境の橋を共同で建設、管理することについて(中朝両国が)協定を締結したと伝えたが、それから2年で橋が概ね完成した。

(参考記事:【動画】南陽と図們市を結ぶ新たな橋の橋桁完成式典

開通は来年初めになると思われるが、早急な完成は中朝両国の利害関係が一致した結果だという見方だ。

この地域で最も物流量の多い国境は、図們から南東に100キロ離れた圏河だが、そこよりも図們の方が交通至便だ。2008年開通の高速道路、2015年開通の高速鉄道に加え、満州国時代から存在する在来線があり、大消費地の長春まで400キロだ。

中国の北朝鮮国境沿いの各自治体は「朝鮮工業園」を造成し、北朝鮮の安価な労働力を使った製造業の誘致を進めてきた。国際社会の制裁に中国が積極的に同調したことで、操業は低調となっているが、制裁解除後を見据えたインフラ整備は、この地域の立ち遅れた経済の発展に欠かせない。

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同時に、海を持たない中国東北にとって、日本海への進出路となる有用なインフラだ。東アジアの物流基地にするための中国政府の長吉図(長春、吉林、図們)計画の推進にあたって、この橋は欠かせない。

北朝鮮と中国を結ぶ橋は7つあるが、2016年に完成した新豆満江大橋を除いては老朽化が進んでいる。そのうち、遼寧省丹東と北朝鮮の新義州(シニジュ)を結ぶ中朝貿易の大動脈、鴨緑江大橋(中朝友誼橋)は補修工事のためしばしば通行止めになり、貿易、観光に大きな影響が出ている。

(参考記事:北朝鮮と中国を結ぶ橋、補修工事で9日から一時閉鎖

問題解決のために中国は、建設費を全額負担し、鴨緑江大橋から下流10キロのところに、新鴨緑江大橋を2014年10月に完成させた。ところが、北朝鮮は自国側の連絡道、税関施設なども中国に建設するよう要求したため、開通ができずにいる。今回の図們国境大橋の架替えが、新鴨緑江大橋の開通に肯定的影響を与えることが期待されている。

(関連記事:北朝鮮の「無理難題」で宙に浮く中朝経済プロジェクト