北朝鮮国営の朝鮮中央通信は6日、日本人拉致問題は「解決済み」であるとし、過去の植民地統治の「徹底的な賠償」を要求する論評を配信した。
(参考記事:北朝鮮が日本だけを非難…安倍さんは金正恩氏と会って大丈夫か)論評はまず、「先日、外相河野と参議院議長なる者がいわゆる非核化と「拉致問題」について語った」と指摘。これは、伊達忠一参院議長がロシア上院で行った演説(7月24日)や、河野太郎外相がASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議に際して行った諸外国との接触で、拉致問題解決への解決を訴えたことを指すと見られる。ちなみに、河野氏はARF閣僚会議が行われたシンガポールで3日夜、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相と短時間接触し、日本政府の考え方や基本的な立場を伝えている。
論評は、こうした日本側の動きについて、「妄言」であるとして反発。「島国が瀕した哀れな境遇は全て、時代錯誤の対朝鮮圧力一辺倒政策から招かれたもの」だとしながら、「日本はすでに解決済みの『拉致問題』をまたもや持ち出して反朝鮮敵対雰囲気を鼓吹することにより、自らの運命をさらに抜き差しならぬ窮地へ押し込んでいる」と主張した。
そのうえで「日本がわが国家に担った第1次的な法律的・道徳的義務は、過去の血なまぐさい侵略犯罪に対する誠実な反省と痛切な謝罪、徹底的な賠償である」と述べた。