北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は4日、シンガポールで行われたASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議で演説し、朝鮮半島の非核化などを巡る朝米合意について「同時的・段階的な履行だけが成功への唯一の現実的な方途」であると強調した。朝鮮中央通信が伝えた。

李氏は演説で、シンガポールで行われた米国との首脳会談での合意を「責任をもって、誠意をもって履行していこうとする決心と立場は、確固不動である」としながら、「完全な履行を保証するキーポイントは、信頼醸成である」と指摘。

そのうえで「信頼醸成を先行させ、共同声明の全ての条項を均衡的に、同時的に、段階的に履行していく新しい方式だけが、成功することのできる唯一に現実的な方途だとわれわれは信じている」と表明した。

さらに続けて、「米国が建設的な方案を持ち出してくるならそれ相応に何かをしてやる考えもしていたが、米国がわれわれの懸念をなくす確固たる用意を行動で見せない限り、われわれだけが一方的に、先に動くことは絶対にないであろう」と強調した。

同通信の報道全文は次のとおり。

朝鮮外相がARF閣僚会議で演説

【平壌8月5日発朝鮮中央通信】朝鮮の李容浩外相が、シンガポールで行われたASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議で4日、演説した。

李外相は、シンガポールで朝米関係史上、初めて行われた首脳の対面と会談はアジア太平洋地域の情勢発展に最も深遠かつ肯定的な影響を及ぼした重大出来事であると明らかにした。

また、長い敵対関係にある国家間にも互いに信頼を醸成すれば対話と協商で地域と世界の平和と安全保障問題を解決していくことができるということを示したところに、シンガポール首脳対面が持つ大きな国際的意義があると述べた。

そして、自主権尊重、平等、互恵の原則に基づいて地域の全ての国と友好・協力関係を積極的に発展させ、ARFの信頼醸成と予防外交実現のための共同の努力に寄与し続けようとする朝鮮の立場には変わりがないとし、次のように続けた。

朝鮮半島に形成された平和と安定の新しい気流は、アジア太平洋地域全般情勢の安定的かつ建設的な発展のために地域の全ての国が共同の努力で積極的に関心を寄せ、大事にして強固にすべき貴重な芽である。

現朝鮮半島情勢は一言で言って、古いものを打破して新しいものが誕生する歴史の瞬間だと言える。

去る6月、ここシンガポールのセントーサ島で朝米首脳たちは世紀的な合意を遂げた。

朝米共同声明を責任をもって、誠意をもって履行していこうとする朝鮮民主主義人民共和国の決心と立場は、確固不動である。

朝米共同声明の完全な履行を保証するキーポイントは、信頼醸成である。

信頼は一朝にして築かれる感情ではなく、朝米間の十分な信頼醸成のためには必ず双方の同時的な行動が必須的であり、できることから一つずつ順次にやっていく段階的方式が必要である。

信頼醸成を先行させ、共同声明の全ての条項を均衡的に、同時的に、段階的に履行していく新しい方式だけが、成功することのできる唯一に現実的な方途だとわれわれは信じている。

米国がわれわれをして安心して近づけるようにする時、われわれもやはり米国に心を打ち明けてそれを行動で見せてやれるであろう。

これが、朝米両国首脳たちが遂げた合意精神の根本核である。

懸念が高まるのは、米国内で首脳部の意図とは違って古いものへ逆戻りしようとする試みがしつこく表出していることである。

朝米共同声明が米国の国内政治のいけにえになって首脳たちの意図と異なる逆風が生じるのを許してはならない。

われわれはすでに、米国が建設的な方案を持ち出してくるならそれ相応に何かをしてやる考えもしていたが、米国がわれわれの懸念をなくす確固たる用意を行動で見せない限り、われわれだけが一方的に、先に動くことは絶対にないであろう。

朝鮮のことわざに「のろのろ歩いても雄牛の歩み(牛の歩みも千里)」という言葉があるが、朝鮮半島の非核化を実現するためには一つ一つの段階的な同時行動を通じて信頼を着実に醸成するのが最も早くて確実な近道である。

朝鮮民主主義人民共和国は去る4月、経済建設に総力を集中することに関する新たな戦略的路線を選択した。

わが国で経済を復興させ、人民生活を向上させれば地域全般の平和と安全、経済的成長に良ければ良いはずで、決して悪いことはないであろう。

国際社会は当然、われわれが非核化のために先に取った善意の措置に、朝鮮半島の平和保障と経済発展を鼓舞、激励する建設的な措置で応えるべきであろう。

最後に、李外相は会議に参加したARFの全ての加盟国がようやくもたらされた朝鮮半島の情勢転換の世紀的な機会を大事にし、朝鮮半島問題を根源的に解決するのに役立つことをするとの期待と確信を表明した。---

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