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12日にシンガポールで行われた米朝首脳会談。朝鮮中央通信など北朝鮮メディアは、会談のことを非常に詳しく報じている。

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北朝鮮国内では、国の今後に対する期待の声が高まっているが、あまりに急速な変化に戸惑いの声も聞かれると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

金正恩党委員長がシンガポールに向かったことを11日付の労働新聞で知ったという咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、建国以来初となる朝米首脳会談に、国民の関心は非常に高いと述べた。

「元帥様(金正恩氏)は最近、中国や韓国の首脳との会談を何回も行っているが、今回ほどわくわくしたことはない」

南北首脳会談は過去にも行われたが、その後に南北関係が冷え込んだこともあり、そこまで興味を惹かないようだ。一方で、米朝首脳会談への関心は非常に高い。

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「トランプ大統領との会談は、戦争の恐怖から抜け出し、経済発展への期待を抱かせてくれた」

また、当局は今まで耳にタコができるほど、 「帝国主義の文化的浸透を徹底的に排撃しよう」「反帝反米階級教養を強化しよう」などと繰り返し宣伝してきたのに、その「帝国主義の首魁」と金正恩氏が会談したことに、一部の国民は少なからぬショックを受けている。

一部の幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)は期待と不安、緊張の入り混じった表情をあらわにしている。その理由について情報筋は「当局が金正恩氏の外国訪問を国営メディアにいち早く報道させたことは、国内統制に自信があるからか、あるいは改革開放の前ぶれなのか判断が難しいからだ」と説明した。

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一方、平壌郊外の平城(ピョンソン)市在住の情報筋は、市民が今回の首脳会談を「歴史に残る」と高く評価し、期待を寄せている一方で、「なぜ中国の飛行機に乗ったか」と疑問を呈する人もいると伝えた。「やはり中国に頼らずには生きていけないという意味ではないのか」(情報筋)ということだ。

また、中国駐在の北朝鮮の貿易関係者は、デイリーNKの取材に「騙された」と不満を爆発させた。

「CVIDとか何とか言っているが、今まで人民を犠牲にしてやってきた核を今さら放棄するなんて、人民に対する欺瞞行為だ」

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しかし、「会談がうまく行って、庶民が腹いっぱいご飯を食べられるようになればいい」との期待ものぞかせた。

ただ、北朝鮮の一般国民が、非核化について自由に語り合えるわけではない。

北朝鮮国内のデイリーNK情報筋は、朝鮮労働党中央委員会宣伝扇動部から幹部に対して「個別の言論を控えよ」との指示が下されたと述べた。勝手にあれこれ言うなということだ。下手なことを言って、当局にとって厄介な噂が広がることを警戒しているのだろう。