北朝鮮の金正恩党委員長と中国の習近平国家主席が今月7、8日に中国・大連で会談した際、習近平氏は米朝間で非核化に合意し、具体的な進展があれば、非核化の中間段階でも中国が経済支援する意思を示していたことが明らかとなった。読売新聞が14日、中朝首脳会談の内容を知る外交筋の話として明らかにした。
会談で金正恩氏は習近平氏に、「米国は、非核化を終えれば経済支援すると言うが、米国が約束を守るとは信じられない」と不満を表明したという。
一方、ポンペオ米国務長官は13日のFOXテレビのインタビューで、北朝鮮が完全な非核化に応じた場合の見返りとなる経済支援の主体は「起業家や資本家ら民間資本だ。米国の納税者ではない」との考えを明らかにした。北朝鮮の電力などのインフラ整備や農業支援を進める方針という。
米国は人権侵害を巡っても北朝鮮に制裁を加えている。北朝鮮の人権状況が改善しなければ、政府による支援は困難なのかもしれない。
(参考記事:米国が金正恩氏の妹らを制裁指定…人権侵害を巡り)一方、ポンペオ氏は見返りについて「制裁緩和は当然で、それ以上のものがある」と発言。北朝鮮が要求する「体制保証も与えなければいけない」と語った。ただし、見返りのタイミングについては、北朝鮮が想定する「段階的で歩調を合わせた措置」は「繰り返し失敗してきた」として否定的な考えを示した。