北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は1日、「資本主義の政治制度は、勤労人民大衆の自主的権利を蹂躙(じゅうりん)する最も反動的な政治制度である」などとする署名入りの論評を掲載した。朝鮮中央通信が伝えた。
北朝鮮国営の海外向けメディアである同通信は従来、労働新聞など国内の主要紙に掲載された論評のうち、安保・外交問題で日米韓を非難する内容のものを優先的に伝えてきた。
最近になり、近く予定されている南北首脳会談と米朝首脳会談に配慮してか、韓国と米国に対する非難の強度は低下している。替わって資本主義を非難する論評を紹介しているのは、北朝鮮が韓国や米国との対話を進めるとしても、「改革開放」のような体制の見直しに進む意図はないと示唆するためである可能性がある。
論評は、資本主義社会について「政治は独占財閥が牛耳り、それは徹頭徹尾、搾取階級の利益を代弁する」「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなるという両極分化を生じさせる」などと述べて批判している。
しかし、社会主義的な計画経済がとうの昔に破たんした北朝鮮では、なし崩し的な市場経済化が進んでおり、国民の大多数がそのような現実を認識している。