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北朝鮮と国境を接する中国の丹東が25日夜、物々しい雰囲気に包まれた。駅一帯が封鎖され、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の船が国境の橋を監視する中で、2編成の特別列車が通過した。金正日総書記(当時)が2011年に訪中したときにも、丹東では同様の警戒態勢が取られていたことなどから、「金正恩党委員長が中国に来たのではないか?」との噂が広がった。

(関連記事:金正恩氏が電撃訪中か?…北京には「特別列車」が到着

26日午後には、日本テレビが北朝鮮の特別列車が北京駅に到着する様子を報じ、金正恩氏電撃訪中説がさらに広がった。一方で、丹東から北京までの沿線各地では、26日朝から様々な兆候が察知され、SNS上には情報が飛び交った。

あるネットユーザーは中国版Twitterの微博(ウェイボー)に「三胖子(金正恩氏を指す隠語)が北京にやって来た、道が封鎖されている、(沿線の)遼寧省葫蘆島市では午前8時に交通が麻痺した、(誰が来るか)葫蘆島の人は皆知っている」と書き込んでいる。

また、別のユーザーは、26日午前に葫蘆島市内で激しい渋滞が起きている様子を収めた動画を撮影し、投稿している。

特別列車は午後4時ごろに北京に到着したことと、葫蘆島から北京までは一般列車で6時間から8時間かかることを考えると、道路封鎖とそれに伴うものと思われる渋滞は特別列車の通過によるものであろう。

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「北戴河周辺の線路の周囲に多くの警察と武装警察が動員されているが、何事か?」との投稿も見られる。北戴河は葫蘆島から南西に160キロのところ、北京に向かう沿線にある。

一方、北京鉄路局は公式アカウントで、丹東、瀋陽方面からの列車が2時間前後の遅れを持って天津や北京に到着していることを伝えた。この投稿には次のようなコメントが付いている。

「鑫家から人が来た」(鑫は金の伏せ字)

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「胖哥(デブの兄貴)は遊びに来て何日いるんだ?」

「金が来たのか?」

「(やって来たのは)最強の80後(1980年代生まれ)か?」

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「小胖(おデブちゃん)が(習近平国家主席のもとに)朝拝(拝謁)に来たのか?」

一方でTwitterには、特別列車が北京市内を走行する様子を収めた動画(外部リンク)や、北京駅周辺が完全封鎖された様子を収めた動画(外部リンク)が投稿されている。

ちなみに微博では26日午後10時現在、「朝鮮」(北朝鮮)のキーワードを使った検索ができなくなっている。

デイリーNKの北京の情報筋は、1週間前から中国外務省が北京駐在の北朝鮮大使館の関係者と異例の全体ミーティングを行うなど、注目すべき動きが起きていると伝えた。これと、特別列車が北京に到着したことを見ると、北朝鮮の最高クラスの高官が中国を訪問したことは確実と言えよう。

これほどの厳戒態勢が取られているのは、実際に金正恩氏の専用列車の爆破計画があったからと思われる。また、2004年4月には平安北道(ピョンアンブクト)の龍川(リョンチョン)駅で謎の大爆発が起き、駅はもちろんその周辺の住宅地や学校が吹き飛ばされる大惨事が起きたが、事故の直前に駅を通過していた金正日氏を乗せた特別列車を狙ったものだという説がある。

(参考記事:北朝鮮で金正恩氏の暗殺未遂…「専用列車を爆破」秘密警察が報告

この件について韓国の青瓦台(大統領府)は、デイリーNKジャパンの取材に「関連する動向を注視しており、多数のルートを通じて関連する状況を把握中にある」と答えた。