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史上最強とも言われる国際社会の経済制裁により、中国と北朝鮮の貿易はほぼ麻痺状態に陥っているが、南北首脳会談と米朝首脳会談の開催が決まったことを受け、ビジネスが息を吹き返しつつある。一方、「時期尚早」だとして警戒する見方も根強い。

中国・丹東の情報筋が、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったところによると、中国と北朝鮮を行き来する貿易用のトラックの数は従来、1日に300台に達していたが、制裁がさらに強化された今年1月からは70台まで減っていた。

70台のうち20台ほどが北朝鮮のトラックだったが、今月17日ごろから5〜60台まで増えた。中国のトラックは増えていない。別の情報筋は「10年以上も中朝貿易に携わっているが、常に中国のトラックの方が多かった、両国のトラックの数がほぼ同じになったのは初めて」と語った。中国の貿易業者は「きっと何か理由があるはずだ」と思いつつも、その理由がわからず首を傾げている。

(参考記事:トラックが消えた北朝鮮国境…制裁で貿易ほぼ麻痺

北朝鮮の業者は、中国との貿易で自国のトラックを使おうとする。ドライバーが新義州(シニジュ)税関での通関手続きを代行してくれるからだ。一方で、中国の業者は北朝鮮のトラックをあまり使おうとしない。当日の朝に中国にやって来て、大急ぎで荷物を積み込んで当日に戻るため、てんてこ舞いさせられるはめになるからだ。そのうえ、ドライバーが密輸品を紛れ込ませてトラブルになることも多い。

一方、北朝鮮に進出していた中国の業者の間で、北朝鮮に再進出する動きが出ている。

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中国の某国境都市の情報筋によると、黄海南道(ファンヘナムド)の海州(ヘジュ)で採取したアサリを中国に輸出していた丹東の業者は、昨年8月の中国当局の海産物禁輸措置で一度は撤退したが、北朝鮮に再進出する動きを見せている。

業者は、アサリの稚貝の買い付けに中国南部に出かけている。北朝鮮の水産事業所は、外貨稼ぎのためにアサリを採りすぎて枯渇寸前に追い込んでしまった。その解決のために、稚貝を提供する中国業者と輸出契約を結ぼうとするが、他の業者に買い占められる前に先手を打って確保しようとしているのだ。

別の情報筋は、羅先(ラソン)で水産加工場を営んでいた中国の業者が、北朝鮮に向かいつつあると伝えた。事業再開に向けて、半年以上放置していた冷凍設備などの点検に向かったものと思われる。

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このような動きについて情報筋は「国際社会の対北朝鮮制裁がまもなく解けるのではないかという期待感によるもの」と説明する一方で、非核化について北朝鮮が一切の公式の発表をしていない状況で「情勢をあまりにも楽観視しているのではないかと不安になる」とも述べた。

実際、中国税関当局の検査は厳しいままだ。

中国のデイリーNK情報筋によると、4月15日の太陽節(金日成主席の生誕記念日)用に北朝鮮の貿易会社が中国から造花の材料を輸入しようとしたところ、中国の丹東税関に没収されてしまった。「材料に含まれる針金が軍事用に転用される可能性がある」というのが理由だ。

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情報筋は「潤滑油や機械のようないかにも没収されそうなものは、バレないように包装していたが、まさか造花の材料が没収されるとは思わず、普通にトラックに積んでいたのが間違いだった」と語った。