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北朝鮮は対外貿易の9割超を中国に依存している。そのうちの7割が経由すると言われる平安北道(ピョンアンブクト)の新義州(シニジュ)の物流量が極端に減っていることが、衛星写真の分析結果で明らかになった。

米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、民間衛星を運営するデジタル・グローブ社が先月11日、14日、27日の新義州一帯を撮影した衛星写真を分析、比較した。

その結果、北朝鮮と中国を結ぶ鴨緑江大橋(中朝親善橋)の北朝鮮側の連絡道路を通行するトラックの数が去年と比べて大幅に減っていることが確認された。昨年1月の写真を見ると、橋のたもとと物流倉庫周辺はトラックで溢れかえっていたことがわかる。

韓国の対外経済政策研究院(KIEP)の報告書によると、2017年の北朝鮮の対中貿易規模は前年比で14.5%減少した。対中輸出に限ってみると前年比37%減少した。その傾向は昨年下半期より顕著となり、報告書は「封鎖のレベルまで縮小する趨勢に入ったことを示唆する」としている。

その傾向は、昨年12月に国連安全保障理事会で採択された制裁決議2397号により、さらに悪化している。韓国貿易協会の集計によると、制裁採択後の今年1月の北朝鮮の対中輸出額は3641万ドル(約38億6500万円)で、昨年1月の2億110万ドル(約213億4800万円)と比べると8割減となった。

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1月の輸出品目を見ると土石類と塩、野菜、果実とナッツの順で、金額では約1800万ドル(約19億1000万円)となっているが、制裁決議2397号により1月中旬以降は輸出ができなくなった。つまり、一連の衛星写真は「ほぼ封鎖レベル」が達成された後の状況を示す。

完全に首が回らなくなった状態で飛び込んできたのが、南北首脳会談と、米朝首脳会談が開催されるとのニュースだ。開店休業状態だった北朝鮮の貿易会社は、輸出の再開に向けて動き始めている。

(参考記事:北の貿易会社、石炭の対中輸出再開の動き