人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

飛行機嫌いで有名だった故金正日総書記は、海外訪問時に列車を利用していた。ロシア訪問時は、3週間に渡って2万キロ以上を列車で移動した。その足跡をたどるかのように平壌からロシアのモスクワまで走るロシア国鉄の100Щ列車は、世界最長距離の列車だ。時刻表通り走ったとしても、8日と15時間半もかかる。

(参考記事:金正日氏が飛行機に乗れない「本当の理由」とは?

この長距離列車内から武器が発見され、北朝鮮人女性1人が密輸容疑で逮捕された。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、事件が起きたのは先月初めのことだ。モスクワ発平壌行きの列車は、ロシアでの派遣労働を終えて北朝鮮に帰国する数多くの労働者を乗せて、国境のハサン駅に到着した。

通常、ロシア税関当局は列車の1時間40分の停車時間を利用して、かなり細かく荷物検査を行うが、この日に限ってきちんと検査を行わなかった。1人あたりの荷物が30個と非常に多かったためだ。

ところが、申告された荷物と、実際の荷物の数が合致しなかったため、鉄道警察がすべての荷物を列車から降ろさせ、再検査を行った。その過程で、荷物から拳銃が発見された。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

持ち主の女性が逮捕されたが、取り調べでは「自分のものではない、知人から預かった平壌に届ける荷物だ」と容疑を強く否認している。

別の情報筋もこの事件について確認し、それ以降、ロシア税関の検査がいっそう厳しくなり、面倒になったと伝えている。

情報筋は「国際列車を使って武器の密輸ができる機関は北朝鮮の国家保衛省しかない」と、国家保衛省背後説を主張しているが、今のところ詳しい情報はわかっていない。なお、ロシアのメディアはこの件を報じていない。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

中国当局は、北朝鮮に対して厳しい制裁措置を取っているため、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)系の機関は、ロシア貿易に活路を見出そうとしている。ところが、今回の事件で、ロシアとの貿易にも相当の支障が出ていると情報筋は伝えている。

国際列車を使った密輸は、日常茶飯事だ。北京と平壌を結ぶ列車の乗務員は、その地位を利用して様々なものを密輸して大金を手にしている。一方、モスクワと平壌を結ぶ列車の乗務員は、ロシア国鉄の職員であるために、密輸を行うなら乗客自身が運び込む必要がある。