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ハタハタと言えば、日本では高級魚として知られている。特に近年は不漁が続き、価格が高騰している。一方、海の向こうの北朝鮮では安物扱いされている。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋の話として、檜倉(フェチャン)郡の市場で、ハタハタ1キロが1500北朝鮮ウォン(約25.5円)から2000北朝鮮ウォン(約34円)で売られていると報じた。これは、かつて大衆魚だったが最近は資源枯渇が著しいスケソウダラの10分の1以下の価格だ。

そんなハタハタが、きつい労働を行っている鉱山労働者に労保物資(労働保護物資、危険手当)として配られた。当然のことながら、評判は芳しくない。

咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋は、国内最大の亜鉛の産地である、端川(タンチョン)市の検徳(コムドク)鉱山の労働者にハタハタが国定価格(国の定めた超低価格)で配給されたと伝えた。

北朝鮮の労働保護法は32条と33条で、辛く危険性の高い鉱業、林業、水産業などに従事する労働者には、食料品、嗜好品、栄養剤などを供給すると定めている。これに基づき、コメ、肉、卵、油などが配給されていたが、昨年は配給されず、昨年も年末まで何ももらえなかった。

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ところが、コロナ対策が緩和され、禁止されていた漁船の操業ができるようになったことで、魚介類が大量に取れたので、ハタハタを配給したということだ。言うまでもなく、こうした配給は金正恩総書記の「配慮」として行われる。

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ハタハタは家族を持つ人には50キロ、独身の人には20キロが配給された。

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他の多くの北朝鮮国民が食べ物にありつけず、中には命を落とす人もいる中で、大量のハタハタがもらえるだけでも恵まれていると言えよう。しかし、現場からは「こんなもの要らない」という不満の声が上がっている。

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平安南道の情報筋は、檜倉の金鉱でも、同様にハタハタが配給されたと伝えた。量は上述の検徳と同じで、価格は1キロ200北朝鮮ウォン(約3.4円)で、市場価格よりはるかに安い。

しかし、鉱山労働者の反応は芳しくない。彼らが最も食べたがっているのはコメと豚肉で、市場で安く買えるハタハタの配給は「やってる感」を出しているに過ぎないというものだ。

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また、通常の食糧配給は規定量の半分に減らされたままだ。労働者たちは受け取ったハタハタを市場で売りに出して、コメを買っているとのことだ。これで10キロ以上のコメが手に入る。

ちなみに、ハタハタは痛むのが早く、保存状態がよくなければ当たってしまう。50キロものハタハタを受け取ってもすぐに食べ切れるわけもなく、腐らせる前に売って現金化したほうがいいのだろう。

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