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北朝鮮のコメ価格は、秋の収穫を迎えると下落傾向となるのが例年の流れだが、今年に関しては一時的に若干下がったものの、先月からは上昇している。毎年のように凶作続きの北朝鮮だが、今年はより一層ひどかったことが価格に現れているのだ。

(参考記事:凶作続きの北朝鮮農業、打開策は「ホラ防止法」

そんな中、飢えに苦しむ「絶糧世帯」(食べ物が底をついた世帯)が続出しているが、餓死する前に自ら命を絶つ人もいる。両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

道内の豊西(プンソ)郡在住の30代後半の夫婦は、ポリオ(小児麻痺)による障害のある小学生の息子と暮らしていた。近隣住民によると、一家は絶糧世帯となって、夫は数カ月前からほとんど職場に出勤しなくなり、妻も栄養失調で顔がむくんで外出もできない状況となっていた。また、子どもも登校していなかったという。

息子の世話をするため、妻は思うように市場での商売ができず、一家は困窮していたものと思われる。

(参考記事:「食べるものが何もない」北朝鮮の食糧難が末期症状

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秋になり、落ち穂拾いができるようになって一息ついた一家だったが、やがてそれもできなくなった。その後は着ていた服すらも売り払って食いつないでいたが、ついに現金も底をついてしまった。

そして先月末。3人は変わり果てた姿で発見された。安全員(警察官)が米びつを開くと、穀物はほとんどなく、家の中には衣類もほとんど見当たらなかった。安全部は、夫婦が毒を入れた砂糖水を息子に飲ませた後に、後を追って亡くなったものと見ている。

ただ、村人たちの間では、家族が服毒自殺を図ったのではなく、ほぼ同時に餓死した可能性のほうが高いとの噂が立っている。

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安全部は、事件のことが外部に知られぬようにかん口令を敷き、事件再発防止のために、人民班(町内会)に各家庭との連絡、警備、パトロールをきちんと行うように指示した。

ただ、パトロールを強化したところで、餓死の危機に瀕した人を助けられる余裕がないのは、他の村人とて同じだ。穀物生産量が予想に遥かに満たない状況となっていると伝えられている中、早急に国外から穀物を取り寄せ、配給を行わない限りは同様の悲劇が各地で繰り返されることだろう。

(参考記事:北朝鮮で最悪の食糧難「ジャガイモの皮」が生命線

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