別の華僑によると、中国にやってきた華僑たちはレストランの従業員や、朝鮮語通訳として働くのが一般的だった。しかし、滞在可能期間が短くなってしまったため、中国の業者が彼らを雇おうとしなくなってしまった。仕事に慣れたころになって帰国されたらたまらないというのだ。
また、これを守らず「オーバーステイ」をしてしまったら、次回以降の出国ビザが得にくくなるようになった。一連の措置は、中朝関係を悪化を受けての北朝鮮当局による「嫌がらせ」だというのだ。
朝鮮王朝の末期から日本の植民地時代にかけて、中国から朝鮮半島に移住した人は数万人で、そのうち3分の2が現在の北朝鮮にあたる地域で暮らしていた。日本に替わり北朝鮮を統治したソ連の軍政当局は、華僑にも永住権を付与。華僑は1950年代末までは、一定の既得権と自治権を持っていた。