しかし、実際には市場を利用する人から市場管理費、駐輪代などの名目でカネを徴収したり、政治的行事や建設工事を行なうたびに「忠誠の資金」と称してカネを巻き上げたりしている。つまり、「税金」という名称を使っていないだけで、必要なだけ国民から吸い上げているということだ。
極めて非現実的な「税金制度のない国」政策だが、1974年に金日成主席が提案したものだけあって、廃止や改正を唱えることは難しい。最高指導者の命令や指示を不変のものとする遺訓統治が国是であるため、いくら時代遅れで間違った政策であっても、異を唱えれば政治犯にされかねないからだ。