とりわけ、中国、ロシアと隣接する国境地域には、より多くのノルマが課される。
上納金の指示に基づき、各地域の保衛局は、中国など海外出張に出かけた住民1人当たりにつき、無条件で500ドル(約5万6千円)を徴収する。外貨稼ぎのビジネスマンや華僑からは、国境出入許可証を出す条件で金を受け取るという。
つまりはワイロの強要だが、こうした話は北朝鮮では珍しくない。保衛省と並ぶ治安機関である人民保安省(警察)のある幹部は、覚せい剤の密売、密輸に目をつぶり、その代価として巨額のワイロを受け取っていたぐらいだ。