旧ソ連のバイコヌール宇宙基地では1960年、大陸間弾道ミサイル(ICBM)が発射時に大爆発を起こし、多くの死傷者が発生している。そのため、ロシアはこの物質の製造、保有に及び腰だ。また、米NASAも1966年にこの物質の危険性に警告を発し、それ以降は固体燃料に切り替えた。現在、UDMHを主に製造しているのは中国だ。
米情報機関は、この物質が中国やロシアから北朝鮮に持ち込まれていたと見て調査を行っており、もし今でも持ち込みが続いていると判明すれば、国連安全保障理事会の既存の制裁でブロックできるか検討する方針だ。
北朝鮮がミサイルのエンジンと燃料を外部から調達しているという情報は以前からあったが、米国政府が調達阻止に動いた形跡はないとニューヨーク・タイムズは伝えている。