江陵事件の唯一の生存者であるイ・グァンス氏は、天安艦事件の合同調査団が決定的な根拠として提示した『1番』という書き込みについて、北朝鮮の行為を明らかにする核心的な証拠だと評価した(関連記事)。

「北朝鮮では魚雷も自ら整備をする。整備をするためには魚雷を分解する。異常の有無を確認し、錆の除去を行いその他の整備をする。整備には分解しなければならない。分解すると部品の紛失や他の魚雷部品と混同する事がある。これを防ぐ為に番号を書き込んで魚雷別に部品を合わせておく。今回使われた音響魚雷雷管を整備する時も、こういう方式が適用される。音響魚雷雷管は3キロ以上だが、これも分離して再装着する。このようにする為には、数が1つ2つでない以上、番号を振っておかなければならない」と話した。

「潜水艦は『号』という名称を使うが、魚雷部品は一般的に番を使った」と説明した。

北朝鮮は天安艦を撃沈する際に、完全犯罪に自信を持ったいたと見るか、との質問に「そうだ」と話した。

同氏はこのように考えた理由を2つ話した。1つは東海や西海で潜水艇を発見するのは容易でないという点だ。

「公式的には1996年の江陵潜水艦事件が最初で最後(逮捕されたので)であったが、非公式的には何度も南側の海域に入ってきたのか」と尋ねると、しばらく考えて「話しにくい」とだけ答えた。

「北朝鮮は証拠物を探し出すのは厳しいと判断した為、『しらを切る』作戦が可能と考えたのだろう。韓国が沈没した艦首と艦尾を引き上げ、はえ縄漁業漁船まで動員し証拠物を捜し出した為に大きく慌てただろう」と話した。

「1985年に咸鏡南道の東海イウォン郡近海で水上艦と潜水艦が衝突し、潜水艦が沈没し内部に死体があるのにもかかわらず、引き上げる事ができなかった。事故現場の水深は1998年に束草で北朝鮮潜水艦を引き揚げた水深と同じだ。自分たちの技術水準から完全犯罪が可能と考えたのだろう」と話した。

イ氏は今回の天安艦撃沈部隊は偵察総局だと断言した。「海軍は全面戦争を行う際には任務を受けて動く。また、海軍は装備や訓練の面で偵察総局に及ばない。作戦を成功させる為に偵察総局が動くのは当然だ。実際の指揮は偵察総局長キム・ヨンチョルが行ったのだろう。これは金正日の裁可を得てこそ可能」と話した。

「私が江陵に侵入する時にも当時の偵察局長だったキム・デシクが、全ての作戦と訓練を指揮・監督した。南に派遣される数日前にキム・デシクが赴き、金正日の親筆書を朗読し洋酒を注ぎながら『成功して帰ってきなさい』と話した。今回も同じだっただろう」と話した。しかし同氏は偵察局を指導している呉克烈(オ・グンヨル)に対し、「彼が偵察局を指導した事実は全く知らない」と話した。

イ氏は北朝鮮に人間魚雷部隊が実在すると話した。彼は「東海艦隊と西海艦隊の海上狙撃旅団所属だ。両艦隊に1部隊ずつの自爆部隊がある。最初は潜水艦に積載し特定の時点から魚雷運搬体に乗って一定の推進力を受けた後、操縦し目標物に近付いて魚雷を爆発させる。魚雷運搬者は脱出可能だと教わるが、現実的には難しいと聞いている」と話した。

同氏は北朝鮮が魚雷や潜水艦の輸出に向け、カタログを製作したという話は北朝鮮でも聞いたことがないと話した。ただし、北朝鮮咸鏡南道新浦造船所の隣の烽台ボイラー工場に偽装した工場に、潜水艦やホバークラフトの見学にキューバ人が訪問した姿を見て現場関係者に尋ねると、「潜水艦の輸入のための訪問だ」という話を聞いたと話した。

北朝鮮の攻撃理由について「大青海戦の恥を復讐するためだ」と断言した。金正日は韓国に復讐し、軍と幹部へ自身の権威を誇示しようとしたという観測だ。同氏は「北朝鮮は西海NLLから得るものが無い。偵察局にありながら『NLLを修復しよう』という話も聞かない。緊張を作り出す目的だけだ。海戦で敗北した為、北に有利な潜水艦で復讐したのだ」と話した。

最後に天安艦撃沈事件調査結果に対して相変らず疑惑が提起される現象に対し、「もちろんどんな考えを持とうと自由だが、何というか理解がいかない部分が多い。46人の軍将兵が死亡した原因を究明し、この行為を行った者を罰するべきだが、これには関心を見せず政府を疑うことにだけ関心がある。元北朝鮮の潜水艦操縦士の私でも納得が行く事実に対し、なぜ平凡な国民が納得出来ないのかが理解ができない。韓国社会には北朝鮮に同情的な考えがとても多いようだ」と話した。

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