北朝鮮が世界各国に自国労働者を派遣し、莫大な外貨を稼ぎ出していることについて国際圧力が高まる中、米AP通信は先月28日、湾岸諸国が6000人もの北朝鮮労働者を雇用していると報じた。

記事は、クウェートに2500人、アラブ首長国連邦(UAE)には1500人の北朝鮮労働者がいて、さらに1000人が数ヶ月以内にUAEに到着する予定だと報じた。

さらに記事は、北朝鮮の政策に精通した2人の当局者の話を引用して、UAEが、米軍5000人が駐屯しているアル・ダフラ空軍基地の拡張工事に北朝鮮労働者が関わっており、米国企業に買収されたUAEの企業が、1億ドル(約111億円)近い北朝鮮製の武器を購入しようとしていると報じたが、UAEは報道に対して一切の反応を示していない。

一方で、オマーンは昨年12月、300人の北朝鮮労働者を追放しており、現在残っているのは80人に過ぎないと説明した。

記事が名指ししたもう一つの国は、カタールだ。

2022年のサッカーのワールドカップの開催が決まっている同国では、2000人の北朝鮮労働者がスタジアムの建設に従事している。

しかし、カタールはAP通信の取材に対して、かつて数社が北朝鮮労働者を雇用していたが、2015年から労働ビザの発行、更新を停止したため、残っているのは1000人以下だと反論した。

実際、カタールのCDC社は2015年5月、北朝鮮労働者90人を解雇し、帰国させた。現場において充分な食事が与えられずに、12時間以上の長時間労働を強いるなど、労働規則に違反する行為が続いた結果、死亡事故の発生に至ったというのがその理由だ。その3ヶ月後、残りの108人に対しても解雇通告がなされた。

記事に対してカタールが唯一反論しているが、その背景には、サウジアラビア、エジプト、UAEなど6カ国は、カタールがテロリストを支援しているとして6月に国交を断絶し、制裁を加えていることがあると思われる。

周辺諸国による制裁で苦しい状況にある中で、これ以上の揉め事は避けたいという思惑があるものと思われる。実際、サウジアラビアは今回の報道を元に、早速カタール批判を展開している。

米国においてサウジアラビアの広報活動を行うSAPRACのサルマン・アンサリ会長は、UAEのイマーラート・アル・ヨーム紙に寄稿した記事で、地域問題の解決を妨害し、湾岸諸国の関係を悪化させ、リスクを高めているとしてカタールとイランを批判した。

アンサリ氏はさらに、カタールは軍と関係のある北朝鮮労働者に武器を提供し、国防に利用するかもしれないと主張。カタールとイラン、そして北朝鮮は自分たちにとって危険であり、関係諸国はこれらの国を罰するべきだと主張している。

    関連記事