成否は定かではないが、キャッシュレス化を全国に拡大すれば、国庫に戻るカネが増えるだろうと当局は考えたようだ。
(関連記事:タブレットPCに非接触式カード 進む北朝鮮の情報技術)しかし、党や行政の機関、工場、企業所からもらえる月給は小遣い銭程度に過ぎず、多くの人々は市場での商売で得られる収入で生計を立てている。また、ナレカードの口座とは異なり、朝鮮中央銀行のキャッシュカード口座に外貨は入金できない。
国や地方政府が、人民班(町内会)を通じて様々な名目で徴収するカネ、つまり事実上の税金も、すべて中国人民元で支払うことになっていると慈江道の情報筋は語る。
国のシステムそのものに対する信頼が回復しない限りは、当局の目論見どおりになることはないだろう。