1つの選挙区に候補者は1人

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北朝鮮の朝鮮中央テレビが、今月29日の地方人民会議の代議員選挙を控えて、「全員賛成投票しよう」という宣伝スローガンの書かれたポスターが作られたと、14日報道した。

北朝鮮の地方人民会議選挙は道、直轄市、市、郡、区域の人民会議の代議員を選ぶ。2003年8月の選挙では、全国であわせて2万6650人の地方代議員が選ばれた。

選挙とは言っても、他の国のように異なった意見を持つ複数の候補が立候補し、投票で選ばれるものではない。1つの選挙区に、労働党や各団体が選定、推薦した1人の候補に対する賛否投票をする形で行われる。

選挙の日が発表されたら、各人民班(町内会)や社会団体、機関ごとに賛成投票を奨励する行事や決意大会を開催する。「全員賛成投票しよう」という賛成投票を奨励するスローガンのみならず、「人民主権の参加で、先軍政治を一層輝かそう」というような政治スローガンも登場する。

2004年に韓国にやってきた脱北者イさんは、「保衛部が住民に『どの地域の何某が反対投票をして、家族全員が追放された。投票をしなければ、特別監視対象になる』というような話をして脅かす。北朝鮮にいたころはわからなかったが、韓国に来てから賛成投票を督励するためのデマの流布のような行為だったと思った」と語った。