反対投票をしたら最後…

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選挙当日、公民証(身分証明書)を持って投票所に向かい、住民登録の確認を受けて投票用紙を受け取る。投票用紙を投票箱に入れれば選挙は終わりだ。反対票を投じるなら投票記載所で用紙にバツじるしをつけるが、そんなことをすれば誰が反対したかすぐにわかってしまう。

保衛部に連行され、尋問を受けた上、反革命分子に分類されるため、反対票を投じようとする人は誰もいない。投票に参加しなくても反革命分子となる。民主主義国家に住む人からすると極めて奇異なものだが、北朝鮮の人々にとっては極めて当たり前なことである。

そもそも北朝鮮の選挙は、民主主義的な手続きにのっとり自分たちの代表を選ぶものではない。当局が、住民が現住所に住んでいるか、反体制的な動きをしていないかを把握するためだけのものだ。選挙期間中には、行商などで他地域に行っている人も、住民登録地に戻らなければならず、旅行証(移動許可証)の発行も難しくなる。

北朝鮮では選挙が終われば、各選挙区では何の言及もない。朝鮮中央テレビでまとめて、「99.9%投票参加、100%賛成」などといった結果が発表されるだけだ。