順川の市場は、各地方からの物資を集め、南西に50キロ離れた大消費地、平壌に出荷する卸売市場の機能を兼ねているため、平壌の物価や流通にも影響が出かねない状況だ。
さらに、順川は豊富な地下資源と、市場で蓄積された資本を利用した軽工業が発達しているが、こちらへの影響も避けられないだろう。小規模な工場群の操業が止まると、ただでさえ高い物資の中国依存がさらに深まることになるだろう。
(関連記事:経済制裁をチャンスに変える…北朝鮮「草の根企業」奮闘記)当局が繰り返す核実験とミサイル発射が招いた官製不況に、市民は為す術もなく、ひたすら石炭輸出の再開を首を長くして待っている。一方の当局は「国営企業にダメージさえなければ問題ない」という姿勢のようで、深刻な不況に対して一切の対策を講じていない。
情報筋は「お上はミサイル遊びに熱中し、私たちの暮らしはますます苦しくなる」と嘆いている。