韓国政府は、高度成長期末期にあった90年代前半、ソウルの著しい住宅難を解消するために「4大新都市」を建設した。そのうちの一つ、一山(イルサン)新都市は、ソウルと軍事境界線の中間に位置するが、これは市街戦に備えて設計されたことが明らかになっている。
韓国の聯合通信(現聯合ニュース)は1994年9月、当時の李炳台(イ・ビョンテ)国防相が国会で「首都圏の外郭にある新都市は、有事の際に北朝鮮の南侵を防ぐ障害物として利用する」という発言が事実であると確認したと報じた。このようなニュータウンの要塞化は、90年8月に韓国陸軍と土地開発公社の間で交わされた「一山新都市陣地化概念設計指針」などの文書に基づくもので、マンションは戦車の侵入を防ぐ方向に配置され、インテリアには軍事用に転用可能なものが使われている。