国営企業は、小遣い銭にしかならないたった5000北朝鮮ウォンの給料ですら、払えない場合も多い。韓国労総の報告書によると、2008年の時点で国営工場の7~8割が操業を停止しており、その状況は現在でも大差ないと思われる。仕事がなければ、給料など払えるわけがない。
北朝鮮の人々は、国の「計画経済ごっこ」に付き合っている暇はないと、職場をサボり、商売や個人耕作地での農作業に精を出すのだ。しかし、国からあてがわれた職場に出勤しないことは「無職」とされ、取り締まりの対象となる。そこで、職場に籍をおいたまま、取締官や職場の上司に最低でも毎月150元(約2400円)前後のワイロを払い、何らかの副業で生活費をかせぐのだ。
(関連記事:北朝鮮、理不尽な「罰金制度」が慣習に 欠勤の罰金として給料数ヶ月分)北朝鮮では、そのような人がもはや多数派となっている。