北朝鮮の金正恩党委員長が、国家保衛省に対し「人権侵害をやめよ」と指示を出したことで、保衛員(秘密警察)の国民に対する態度が変わりつつあるという。
保衛省は、拷問や公開処刑を担う秘密警察であり、金正恩体制の恐怖政治を支えてきた。しかし正恩氏は、人権侵害を追及する国際社会の目を気にしたのか、今年1月までに職権を乱用して金儲けをするな、住民に対する暴行、拷問などの人権侵害をやめるようにとの指示を下したと伝えられている。
(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…)両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、今年の初めごろまでは、ちょっとしたことでケチを付けて住民からカネをむしり取ろうとしていた保衛員が、最近になって随分と腰が低くなり、強圧的な態度を取ることがかなり減ったという。
咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、会寧(フェリョン)市保衛局員の次のような例を挙げた。