生物兵器は、コレラ菌や炭疽菌など15種類の細菌類の生産が可能で、年間生産能力は4500トン、戦時には1万2000トンまで増産可能だという。また、昨年の韓国国防白書によると、北朝鮮は2500~5000トンの化学兵器を保有していると推定される。金正男氏殺害事件で使われたVXの出処はわかっていないが、北朝鮮はVXを145トン以上保有していると言われている。
故金日成主席は1961年12月、朝鮮人民軍党委員会全体会議で「人民軍隊を化学化し、化学戦の重要性を認識せよ」との指示を下した。これをきっかけに、北朝鮮は化学兵器の開発に取り組むようになった。その中心にいたのが京都大学出身の化学者、李升基(リ・スンギ)博士だということは北朝鮮でもよく知られているという。
(参考記事:北朝鮮の化学兵器の生みの親は、京大出身の化学者)このような化学兵器開発の裏で、大惨事が起こっていた事実に、今また注目すべきかもしれない。