保衛省は、秘密警察として住民を監視し統治する。摘発する場合、取り調べの過程では拷問も厭わない。そればかりか、彼らの持つ独自の権力と暴力を活用して北朝鮮の富裕層や庶民から収奪し、金儲けを目的とするケースも少なくない。
(参考記事:口に砂利を詰め顔面を串刺し…金正恩「拷問部隊」の恐喝ビジネス)どんな形であれ北朝鮮の庶民らが、横暴で恐れられていた保衛員に抵抗しはじめたということは、国家保衛省の権威が以前より落ちていることを物語っている。さらに、一般警察である保安員の権威は、より落ちているという。
妻子まで惨殺
北東部の羅先(ラソン)を頻繁に訪れる中国のビジネスマンによると、道端に立って交通取締りを行っている保安員は、バイクが接近すれば違反の有無を問わず笛を吹いて停止を命じるが、半分以上が停まらずに逃げてしまう。おそらく、いちゃもんを付けてワイロをむしり取ろうとする保安員の魂胆が丸見えだからだろう。