北朝鮮の国営航空会社である高麗航空は以前から度々欠航を繰り返していたが、その数が半分に達するなど、運航体制が不安定になっている。

また、中国の航空行政を司る中国民用航空局(民航局)の要求事項を満たしていないため、運航一時停止に追い込まれる可能性も出てきた。

米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、旅客機の位置情報を提供する「フライトレーダー24」の情報を引用しながら、高麗航空は昨年12月16日から今年1月6日までの間に、予定されていた28便のうち14便しか運航していなかったと報じた。

平壌ー北京線は週3便運航したが、週2便体制の上海、瀋陽、ロシアのウラジオストクと平壌を結ぶ路線は、依然欠航したままだ。この理由についてVOAは、冬季の乗客減少によるものと見ている。

こうした中、中国当局は国を代表する航空会社の体をなしていない高麗航空に対して、制裁を行うと通告した。

中国民航局は昨年9月、「航班正常管理規定」の施行に際して、各航空会社に対して、輸送条件や遅延時の対策や乗客への対応、補償、中国国内の電話番号やメールアドレスを明示し、中国語で対応できる体制を構築することなどを求めた。

12月30日には、要求事項に対する各航空会社の実施状況を公表したが、高麗航空は全く実施していない。韓国の聯合ニュースによると、今年1月1日以降も改善が見られなければ、中国当局は高麗航空に対して制裁を行う方針だという。

しかし、デイリーNKジャパンが確認したところ、1月13日現在、要求事項は全く実施されていない。

高麗航空のホームページには、緊急連絡先として5つの番号が記載されているが、いずれも国番号「850」で始まる北朝鮮のものだ。デイリーNKジャパンはこれらの番号に実際に電話をかけてみたが、いずれも朝鮮語と英語で「そのような番号はない」とのアナウンスが流れ、通じない。

また、運行情報も極めてデタラメだ。

1月13日の上海発平壌行のJS158便は、高麗航空のウェブサイトでは正常に運航されたと表示されているが、上海浦東空港のウェブサイトでは欠航となっている。

1月13日の上海発平壌行のJS153便は正常に運航されたと示している高麗航空のウェブサイト(上)。一方、上海浦東空港のウェブサイトは同便を欠航としている。
1月13日の上海発平壌行のJS158便は正常に運航されたと示している高麗航空のウェブサイト(上)。一方、上海浦東空港のウェブサイト(下)は同便を欠航としている。

高麗航空は昨年7月、飛行中の機体が火災を起こして瀋陽空港に緊急着陸する事故を起こしている。中国民航局は、高麗航空に対して調査を行うと同時に、乗務員の訓練と機体のメンテナンスの改善を求め、運航制限を命じた。これに伴い、2週間に渡って運航がストップした。

このままでは、再び運航の一時停止に追い込まれることは避けられないだろう。

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