脱北者という経歴を生かしたチュ・ソンハ記者の面目躍如といったところだ。北朝鮮エリートを突き動かしたチュ氏には、彼と同じく北朝鮮内部の情報を伝える筆者も最大限の賞賛を送りたい。
テ氏が、デイリーNKを読んでいたかどうかは不明だ。しかし北朝鮮の御用メディア団体はデイリーNKの韓国版を名指しで非難していることから、国家機関がチェックしていることはまちがいなさそうだ。また、金正日総書記の長男で金正恩氏の母親違いの兄にあたる金正男氏は、「デイリーNKの地方の情報は正確だ」と認めている。
デイリーNKジャパンは韓国版とは運営母体もコンテンツも違うが、日本でしか入手できない北朝鮮の貴重な情報も配信している。日本語のニュースでもネット経由で朝鮮語(韓国語)に翻訳しておおよその内容を把握することは可能だ。もし、北朝鮮の国家機関がデイリーNKジャパンをチェックしているとすれば光栄である。
(参考記事:金正恩氏の「ヘンな写真特集」を北朝鮮幹部が見ている)いずれにせよ、平壌のエリートや特権階級が、決して知ることのできない情報をインターネット経由で知り問題意識を持つ。