米国務省は、北朝鮮を2001年から15年連続で「宗教弾圧が特に懸念される国」に指定し、宗教指導者や信者に対する死刑や拷問を行っていると指摘している。

北朝鮮にもキリスト教信者がおり、地下教会も存在する。さらに、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)内部にも、キリスト教信者がいたことが確認された。

朝鮮日報系のケーブルテレビ局「TV朝鮮」は、北朝鮮民主化運動組織の「朝鮮改革開放委員会」から入手した、平安南道(ピョンアンナムド)南浦(ナムポ)市にある朝鮮人民軍烽火山(ポンファサン)235軍部隊の内部資料を公開した。

資料の中の「ムン・ヨンス 烽火山235軍部隊保衛部長トンム(同志と似た呼称)の2012年度事業実績報告資料」という文書によると、この部隊のムン・ヨンス保衛部長は、2012年10月、迷信行為の対象者6名を摘発し、迷信本6冊を押収したという。

また、「カン・ヨンモ 烽火山235軍部隊長の党生活資料」という文書にも、同様の記述がある。

迷信行為とは「キリスト教」、対象者とは「信者」、そして迷信本とは「聖書」を指している。

金正恩党委員長は2013年4月、軍内部においてキリスト教が広がっていることを受けて、「人民軍隊は迷信行為を防ぐための闘争を強く繰り広げなければならない」との命令を下したという。

今回、摘発された6人について、どのような処罰が下されたかは定かではないが、収容所送り以上の重罰が科せられたことは想像に難くない。

過去、北朝鮮当局が宗教に対して、熾烈な弾圧を行なった実例としては、2010年5月中旬、平安南道平城(ピョンソン)市九月洞(クウォルトン)の地下教会のケースがある。教会に出席していた住民23人が保衛部(秘密警察)に逮捕された。取り調べで主導者と判明した3人は処刑され、残りの20人は燿徳(ヨドク)政治犯収容所に送られたという。

また、弾圧の手が及び、海上を経て脱北した信者の例も複数報告されている。

北朝鮮の宗教政策について、韓国のNGO「北韓人権情報センター」は、2007年以降に韓国に入国した脱北者1万1730人を対象に調査を行った。

それによると、「宗教を信じ始めた時期」という問いに、1.9%が「北朝鮮にいた頃」と答えている。これは、北朝鮮にキリスト教の地下教会がある程度浸透していることを示している。

一方、「北朝鮮では宗教活動が自由に行えるか」という問いには、圧倒的多数の99.6%が「できない」と答え、「摘発後にはどのような罰を受けるか」という問いには51.8%が「政治犯収容所に送られるだろう」と答えた。

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