両江道にある三池淵(サムジヨン)郡は、金正恩体制にとって意味深な場所だ。正恩氏は今から3年前の2013年、実質的なナンバー2として権勢を振るっていた叔父の張成沢(チャン・ソンテク)氏を粛清・処刑した。その直前に三池淵を訪れ、張氏の処刑を決意したと言われているのだ。情報筋も、「今回も処刑や粛清などの人事問題について論議したのかもしれない」と述べている。
正恩氏は張氏の処刑以降、たがが外れたように恐怖政治を加速させる。彼の残酷な処刑方法は、内部からの情報だけでなく、衛星写真などの客観的証拠が証明している。
(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認)「喜び組」という特別な遊戯
その一方で、デイリーNKの内部情報筋は金正恩氏が三池淵を訪れた意外な目的を指摘する。それは、軍に所属する「女性中隊の音楽公演」の鑑賞である。