とりわけ若者の間で、スマートフォンの人気は高く、平壌をよく訪問するある日本人は「行く度にスマホを片手にする若者が増えている」と語る。
某国に駐在する北朝鮮ビジネスマンの家庭の子どもは、その家庭と信頼関係にある日本人男性に「平壌で日本のアニメを見ていた」と打ち明けた。あえて名前を伏せるが、日本でも大人気だったその忍者を描いたアニメは、平壌の青少年の間でも爆発的な人気を呼んだという。
北朝鮮では、庶民がゼロからつくりはじめた市場経済、いわば「草の根資本主義」が急速に発展している。同時に、北朝鮮IT革命も進行中なのだ。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。