韓国の光州市に暮らす、脱北者の3人に1人が生活保護を受けていることが明らかになった。韓国の聯合ニュースが報じた。

「光州地域居住脱北者の社会保障支援現況」という報告書によると、市内在住の脱北者600人のうち201人(33.5%)が、基礎生活保障(生活保護)を受給している。また、医療費支援の対象は263人(43.8%)だった。

この地域の生活保障受給率が4.8%、全国が3%(2015年)であることを考えると、この33.5%という数字が非常に高いことがわかる。

光州全南北韓移住民支援センターによると、今年就職できた地域の脱北者は42人に過ぎず、その8割以上は非正規職だ。また、職についた脱北者は多く見ても全体の2割に留まっている。

光州市は、脱北者の暮らしを安定させるために、教育庁、警察庁、光州雇用支援センター、大韓赤十字社などと共同で「光州広域市北韓離脱住民地域協議会」を2007年11月に立ち上げ、支援を行っている。しかし、依然として貧困に苦しむ脱北者は多い。

報告書では、地域の脱北者の実例を取り上げているが、その中からいくつか紹介する。

(1)キム・ヨンナンさん(仮名、35歳、女性) のケース

2012年、2度の挑戦で脱北に成功。中国を経て、子供の頃からの夢だった看護師になりたい一心で韓国にやって来た。当時11歳の息子(現在15歳)と共に光州市で暮らすことになった。専門学校に1年通って、准看護師になり、市内の眼科で2014年から働いている。

今も、韓国の朝鮮大学の社会福祉学科の2部に通っており、条件が許せば4年制の看護大学に通いたいと考えている。准看護師ではなく、看護師になりたいからだ。月の収入は200万ウォン(約19万6000円)に満たない。家は狭苦しい11坪の永久賃貸マンションだが、看護師になる夢に向けて頑張っている。

(2)イ・ヨンヒさん(仮名、46歳、女性)のケース。

2006年に一人で脱北し、木浦市で一人で暮らしていたが、2010年に結婚した。夫と共に始めたリサイクルビジネスが成功し、年収は9000万ウォン(約882万円)、145平米のマンションで暮らしている。北朝鮮にいた頃は考えられなかったような人生を歩んでいるが、北朝鮮に残してきた姉、兄、弟のことが気がかりだ。いつかは韓国に連れてきたいと考えてくる。

(3)イさん(47歳、女性)のケース

娘とともに脱北し、タイを経て韓国に到着したが、その喜びは長く続かなかった。

韓国での暮らしに慣れないことによるストレスと、貧困生活で、北朝鮮にいた頃に患っていた肝硬変が悪化、肝臓がん末期の診断を受けた。

あちこちを駆けずり回り、手術費4000万ウォン(約392万円)を工面した。800万ウォン(約78万円)は南北ハナ財団から支援を受けたが、残りは自費だ。4時間の手術を受け、肝臓移植は成功したが、後遺症で仕事ができなくなった。

娘はソウルの名門大学に合格した。娘が結婚するまでは面倒を見るつもりだったが、それも難しくなり、不安だらけの日々を送っている。

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